日本時間の3月1日(金)午前4時52分、脆弱性発覚のため見送られていたイーサリアムのネットワークアップグレード「コンスタンティノープル」が無事正式にライブネットに適用されることとなった。
これにより今まで3ETH与えられていたマイニング報酬が2ETHへと減額された。マイニング報酬が減ることでマイナーのモチベーションが落ち込む懸念もあったがハッシュレートに顕著な変化は今の所見られない。
コンスタンティノープルはイーサリアムの掲げるロードマップの中で4段階中3段階目にあたるメトロポリスの後期に充てられた名称であり、4つのEIP(Ethereum Improvement Propoasl / Ethereum改善提案)の実装が行われた。
1つ目が「EIP 145: Bitwise shifting instructions in EVM」、2つ目が「EIP 1014: Skinny CREATE2」、3つ目が「EIP 1052: EXTCODEHASH opcode」、4つ目が「EIP 1234: Constantinople Difficulty Bomb Delay and Block Reward Adjustment」となっており、前3つがコントラクト実行に関する内部的な機能追加に対し、4つ目のEIP1234はマイナーをプルーフ・オブ・ワーク(PoW)からプルーフ・オブ・ステーク(PoS)へと強制的に移行させるためのディフィカルティボムの実行を遅らせるなど運営的な面でのアップグレードとなった。
当初のロードマップよりも遅れていたり想定外の事態が起きてしまうなど新技術の開発は一筋縄ではいかないようだが、2013年に産声を上げたイーサリアムの掲げた大規模アップグレードは当初のロードマップの工程の3/4を終わらせ、残すところ最後のセレニティだけとなった。
未だセレニティの実装時期は明らかになっていないが、スケーラビリティの問題からPoSやシャーディングのみ前倒しで実装される可能性も囁かれており、最終的な完成形はまだ先の話になりそうだ。