BCG傘下の独立した組織として2014年に設立されたベンチャーズビジネス立ち上げに特化した会社「BCG Digital Ventures」の創設者であるJeff Schumacher氏は、スイスのダボスで開催されたCNBC主催の討議会にて、「（ビットコインの価格は）ゼロになると思っております。素晴らしい技術を使っておりますが、通貨であるとは思っておりません。それに、何かに基づいているわけでもありません。」と述べ、ビットコインの価格がゼロになる可能性があるとして、警鐘を鳴らした。
しかし、リップル社のCEOのBrad Garlinghouse氏や、North Islandの会長であるGlenn Hutchins氏、500StartupsのモバイルコレクティブファンドのパートナーEdith Yeung氏らは、ビットコインの将来については「トークンの価値は基礎となるプロトコルの有用性から導き出される」という結論に全員が同意した。
大手仮想通貨メディアのCCNは、Schumacher氏や他の著名人のコメントを取り上げるとともに、「ビットコインの価格がゼロにならない10の理由」をあげた。
1.ビットコインは実際、多くのものに基づいている
一言で言うなら、一般市民による展開に基づいていると言っていい。世界初のオープンソースで、銀行機関による信頼を必要としない分散型ピアツーピア銀行を作成するためのネットワークは、我々一般市民がどう展開するかによるところが大きい。
2.米ドルは実際には何にも基づいていない
多くの主要メディアがビットコインが通貨ではない理由をいくつも指摘しているが、それらはアメリカ合衆国の中央銀行制度である連邦準備制度（FED）が持つ特徴と全く同じ特徴でもある。時にはFEDの方がビットコインよりも当てはまることもあるのだから面白い。
3.重要なのはブロックチェーンではない
本当に評価されるべきはビットコインではなく、その基盤であるブロックチェーン技術であるという意見をよく聞くが、そうではない。ブロックチェーンは、ビットコインのネットワークアーキテクチャの一部にすぎないのだ。
4.どのブロックチェーンか？が問題である
ブロックチェーンに重点を置くのであれば、「どのブロックチェーンか？」ということに重点を置くのがより正しい。ブロックチェーンの流行りに乗るために企業が会社内でブロックチェーンを作っているが、ビットコインのようなものを作っている企業はあるだろうか。多くのブロックチェーンは古く、つまらないデータベースにすぎないのだ。
5.「ビーニーベイビーズ」や「チューリップ」のような流行りものとは違う
ビットコインの最も興味深い部分はブロックチェーンではない。もっとも、ビットコインがどのように機能しているかという仕組みの中では重要ではあるが。
最も興味深いのは、中央銀行が提供するものとは異なる製品機能を提供するプライベート通貨および銀行システムであり、それらは優れた機能であるということだ。
6.最大・最強であることが強くさせた
ビットコインは、最長、最強のブロックチェーンを持っており、最大の時価総額を持つ最大のネットワークがある。さらに、その中でも最も多くの出資者がいる。最大かつ最も成功している暗号通貨であるという事実から、風化、管理、そして学習していったのだ。
7.プルーフ・オブ・ワーク（proof-of-work、POW）
批評家は、ビットコインの電力使用について、あたかもシステムのバグであるかのように話しているが、それは実際には意図的な機能である。その電気使用コスト、時間、および計算の機会コストは、各ノード上の大規模で公的なデジタル台帳および取引の全記録を維持するネットワークに参加するための資格のあるノードを作成するための設計によるものである。
8.複製ができないデジタルなもの
ビットコインの奇妙かつ有用な機能の一つは、ビットコインは1人の人間（またはコンピューター）が所有することができるが、コピーすることが不可能であるということだ。デジタル音楽ファイル、画像、テキスト文字列のコピーは作成できるが、ビットコインのコピーは作成できないのだ。
9.デフレ
ビットコインを複製することはできないということは、連邦準備制度のオープンマーケット委員会が勝手に増やすということが出来ないということを意味する。
だからこそ、米ドルの本質的な価値はゼロであり、無限の流動性があることは理論的には正しいことではなく、金融政策を顕在化する方向へと加速させていっている。それに対してビットコインは、中央銀行の通貨のように金銭的なブラックホールではなく、その固有値は1であり、0ではない。オープンでパブリック、ピアツーピア、分散型ネットワークによって製造された、ユニークで独特の独特のデジタルアーティファクトであり、誰にも再現することはでないのだ。
10.政府はコントロールすることができない
ビットコインがゼロにならない最も重要な理由の1つは、政府がそれを止めることができないからである。これまで私的通貨を創出する試みは何度か行われてきたが、それを試みた会社への襲撃、彼らの財産の没収、様々な金融犯罪に対する刑事告発、および連邦検察を含む深刻な連邦の力で満たされてきた。
しかし、ビットコインは分散型のソフトウェア／ハードウェア／ヒューマンマシンとして生き残り、致命的な打撃が与えられることなく繁栄してきた。リーダーもおらず、正式な本部もないのだ。ビットコインは非常に価値の高い通貨、および銀行として長生きしていくだろう。
参考：CCN