UNICEF(ユニセフ)が、仮想通貨による寄付を受け付けた。今回はフランスで開始し、主要の仮想通貨であるビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)、リップル(XRP)などを含め、9種類の仮想通貨に対応するという。

(画像はUNICEF Franceより)

特に注目すべき点として、モネロ(XMR)やダッシュ(DASH)などの匿名性の高い通貨にも対応していることだろう。マネーロンダリング(資金洗浄)の懸念がある通貨も受け付けるというのは異例ではないだろうか。

ユニセフは今回の仮想通貨の受付以外にもパソコンのコンピューティング能力を一部貸し出し、仮想通貨のマイニングをすることでユニセフのフランス事務局へ振り込むサービスも開始している。

ユニセフにとっては法定通貨による寄付以外にも仮想通貨を加えることで人道支援活動を後押ししたい狙いもあり、ユニセフ以外にも寄付で賄っている団体も今後採用していくことも考えられる。

通貨での支援が難しい支援者に対しては、自分のパソコンの能力でマイニングしサポートすることはいくらかハードルは低く感じることだろう。

また、関連のユニセフベンチャーではイーサリアムのスマートコントラクトを活用して、効率的な資金の移動に関する実証実験も行っている。

ユニセス以外でもサポートしたい慈善団体が導入するようであれば、新しい寄付の形として定着していくことも考えられる。慈善団体の寄付については、様々な団体において寄付されたお金を私的に流用する問題が起こっているのが事実だ。

法定通貨と仮想通貨を比較するとき、仮想通貨を送金する場合には送金履歴が残り、いくら寄付されたかを把握することができるが、法定通貨はいくら寄付されたかを公表するには団体の誠実さに関わってくる。

世界的に認められているユニセフは信用があるが、小さな慈善団体については信用を得るためにも仮想通貨による寄付の窓口を作るのも手の一つだろう。

さらに慈善団体が仮想通貨を受け入れられるような同一のプラットフォームを設けることで、支援したい仮想通貨保有者が慈善団体を選べる環境も求められる。

仮想通貨による寄付が定着するのであれば、ハッキングやマネーロンダリングによる仮想通貨のイメージ回復にも繋がり、市場が発展するきっかけにもなるだろう。

参考:UNICEF France