日本でも馴染みの深いUNICEF(国際連合児童基金:以下、ユニセフ)。募金したことがないという方は、いないのではないだろうか。しかし、自分の募金が実際にどの様に使われているか、ちゃんと役に立てているのかといった心配をされる方も少なくないかと思われる。

このたび、ユニセフの関連のUNICEF Ventures(ユニセフベンチャー)でイーサリアムのスマートコントラクトを活用して、効率的な資金の移動に関する実証実験を行うことが分かった。

今回の実証実験ではイーサリアムベースのブロックチェーンにより、それぞれのトランザクションが確認でき、また公開しているウォレットアドレスによって、透明性が保持できるのではないかという意味合いも兼ねているようだ。

例えば、ユニセフベンチャーズとの最初の契約の取引内容から、すべての関連活動を見ることも可能だ。さらに、この契約の承認と実証実験に携わる個人なども、完全に監視ができる。ウォレットアドレスを通じて追跡が可能というのは新しい試みではないだろうか。

また、その他のメリットとしては、小口で集まっている大量の寄付金をそれぞれの慈善事業に提供していくのには現状ではイーサリアムのブロックチェーンによるスマートコントラクトは必要不可欠であると考えられる。

この技術に対する取り組みは、ブロックチェーンを利用した国連内での広範囲な取り組みの一環だと考えられ、この他の基金などの活動にも今後、このような取り組みが増えてくることが考えられる。

ビットコインなどを使った募金活動はあるが、ユニセフのような基金がブロックチェーン技術を活用し、こういった取り組みを続けていけば、仮想通貨で募金することが当たり前の時代もそう遠い日ではないかもしれない。

イーサリアムは9日21時現在では、1ETH/294USD(約3万2,200円)と前日(24時間)比で3.76%となっている。ここのところ高騰が続き、3万円台は保っているが、このあたりで底を固くするか、調整的に下げ相場となるか、今後の動向から目が離せない。

参考:Stories of UNICEF Innovation