世界最大規模のヘッジファンドであるブリッジウォーターの創業者で、著名投資家でもあるRaymond Dalio(レイ・ダリオ)氏が米ドルに対し警告を発した事が話題となっている。
ダリオ氏が米国経済の最悪のシナリオとして米ドルが30%下落し基軸通貨としての地位が脅かされる可能性があると見ている。13日、Bloombergが報じた。
仮想通貨に対しては過去、仮想通貨についてのポテンシャルは認めつつも慎重な姿勢を見せている。ダリオ氏は、Bloombergとのインタビューで審判の日について語った。
その中でダリオ氏は、現状の米国経済の回復は続かずに、2年ほどで経済危機を迎えると予想している。
ただ負債だけが問題なわけではなく、財源のない年金やヘルスケア業務への負担も問題なると見ており、この結果、米国は国債の発行量を増やさなければならないと指摘もしている。
米連邦準備制度理事会であるFRBは、負債の穴埋めにマネーの発行量を増やさなければならなくなると見ており、今以上にもっと貨幣を鋳造しなければならなくなると答えている。
その結果、ドルの価値は下がり、30%下落する可能性も出てくる。
借金についても同氏は答えており、自分たちの通貨で借金が出来ている特権的な地位におけるシステムに借金し過ぎとも指摘している。
Bloombergによれば、米国債市場の規模は10年前は約5兆ドルだったが、現在3倍となる約15兆ドルに拡大していると言う。
一方で仮想通貨についてダリオ氏の見解は、昨年9月の時点で、「効果的な長期投資先ではない。非常に投機的な市場でバブルだ。」と慎重な見方をしている。しかし、コンセプトとしては可能性があるとも話している。
万が一、ダリオ氏のシナリオが現実となれば、現時点のイランやトルコのような自国通貨に信頼を持てない国民がビットコインなどの仮想通貨購入へと流れるように、米国内において同じようなケースに走る国民が増えて行く可能性もある。
自国通貨が今後どのように進んでいくのか、私たち自身の通貨も見届ける必要がありそうだ。
参考:Bloomberg