ロシアの通信・情報技術・マスコミ監督庁であるROSKOMNADZORが先日、仮想通貨業界で人気のある暗号化メッセンジャーサービスであるテレグラムへのアクセスを禁止するようISP各社に要求していたことで、ロシアでは予告通りにテレグラムのアクセスを遮断し始めました。
テレグラムへのアクセスを遮断するため、17日時点でグーグルやアマゾンの2,000万にも及ぶIPアドレスがブロックされました。しかし、ロシアのテレグラムユーザーは、ブロック迂回策を講じることもなく、アプリを使用できると報告しています。
では、実際に今回の一件でまったく影響がなかったかと言えばそうでもなく、ブロックによりメッセージアプリのバイパーでは接続に問題が出ており、通話がしずらくなっているようです。
現在バイパーは楽天でサービスを提供していますが、ロシアにバイパー経由で連絡する時には注意が必要です。バイパーのユーザーによれば、アマゾンウェブサービスへの接続問題が原因と見られ、現在問題の解決に全力で取り組んでいるとしています。
ユーザーのデータセキュリティと匿名性の支持者として著名なエドワード・スノーデン氏は今回のROSKOMNADZORの対応に自身の怒りをツイッター上で表明し、モラルや法的にも逸脱した検閲と非難し、ロシアのインターネットを破壊するものとも指摘しています。
今回ロシアでテレグラムに対して、このような動きがありましたが、ロシアだけに限らず、イランにおいてもテレグラムに対し危機感を感じており、テレグラムによってデモ活動の助長で使われる事や、テレグラムのICOによりイランの通貨を弱体化させる恐れがあるとして、禁止する流れを取っています。
ロシアのアクセス遮断によって、ロシアの様々な地域に被害が及んでいる事が判明し、オンラインスクールのSkyengが一晩で最大48万ドル(約5,150万円)相当を失い、ニュースサイトであるメドゥーザによれば、この問題に対して60社が法的な助けを求めているとされています。この影響は今後も様々なところで波紋が広がっていきそうです。