中華民国中央銀行(台湾の中央銀行)は2日、ビットコイン取引は司法省の定めるAML(アンチマネーロンダリング)法の下で規制されるべきだと提言したことが分かりました。中央社CNAによって伝えられています。
昨年10月、台湾の金融監督管理委員会(FSC)は、ICO(イニシャル・コイン・オファリング)、仮想通貨(暗号資産)、ブロックチェーン技術の国内採用と革新を支援したばかりです。
今年2月に中央銀行の総裁に就任したばかりの楊金龍(ヤン・チンロン)氏は、総裁の譲渡式での演説で、ブロックチェーン技術に対する友好的な態度をすぐに示しました。
しかし一方で、ビットコインが最近台湾の立法院財務委員会との会合で価格を下落させたことに対する懸念に応えて、ビットコイン取引の“不透明感”に対する銀行の対応措置として、まずは投資家にそのリスクを理解させ、その後にマネーロンダリングに関する規制に移行する必要があると述べました。
台湾の民主進歩党議員である吳秉叡(ウ・ビン・ルイ)氏は、台湾の電力コストが世界で3番目に低いという数字を挙げて、同国のビットコイン・マイニング(採掘)に注意を払う必要があるかどうかをヤン氏に尋ねました。
ヤン氏によると、現在台湾のマイナーのほとんどは中国本土に位置しているとは言え、政府が台湾のマイニングによる消費電力の問題に注意しなくて良い理由にはならないと主張しています。
寒冷な気候や再生可能エネルギーの利用を可能にしているアイスランドや、電気料金が安い国々にマイナーが流入しているように、マイニングの高エネルギー消費によって引き起こされる潜在的な害についての議論は、ここ最近急激に増えてきています。電力コストが低い点が魅力である台湾へマイナーが流入してくる可能性は十分に考えられるでしょう。
アンチマネーロンダリング法の適用にマイナーの流入問題。仮想通貨の普及が拡大する隣国台湾でも、自国の人々の暮らしをどう守るか、難しい課題に直面しているようです。各国でマネーロンダリング対策が急がれています。
参考:中央社CNA