仮想通貨の規制について明確な線引きがなされず、一部懸念のあった韓国ですが、FSS(金融監督院)のChoe Heung-sik院長は19日、仮想通貨の取引を規制しないことを明らかにしました。
Choe Heung sik院長は記者会見の中で以下のように述べました。
「我々は仮想通貨を正当な通貨とみなしていないと、国民に警告することしかできません。つまり、現状で規制強化を行うことはしません。」
金融監督院では以前から仮想通貨は通貨ではないとし、規制をしない方針でしたが、改めて示しました。
例えば、規制がされれば事実上法律で仮想通貨が認められたことになるため、韓国での仮想通貨ブームをさらに加速させるといったことも考えられていますが、現状では法的な位置づけをしないことで、抑える狙いもあると見られています。
また、ビットコインなど仮想通貨を通貨としてみなさないとのことですので、取引所なども従来どおり運営される模様です。
韓国最大の仮想通貨取引所の「Bithumb」、「Coinone」、および「Korbit」は、政府や金融当局により規制があれば、その枠組みに合わせる準備をしていましたが特に変更はないと考えられます。
仮想通貨取引所としての懸念はやはり、KYC(顧客確認)、AML(資金洗浄対策)やテロ資金対策などがあり、これの対策も急がれています。韓国では特に若者に人気の仮想通貨ですが、犯罪に巻き込まれてしまうことも懸念されています。
金融監督員は先週、仮想通貨取引に規制の枠づくりをするタスクフォースの設置をし、キャピタルゲインに対する課税を検討していました。日本国内でもしばしば、所得税の計算が話題になっていますが、韓国では課税対象ではありません。こういった課題は法改正などとともに進められる可能性もあると考えられています。
参考:ロイター