ロシアでは仮想通貨やブロックチェーンの分野において先進的な印象が先行していますが、ウラジーミル・プーチン大統領は仮想通貨に関してその匿名性の高さからマネーロンダリング(資金洗浄)やテロ資金供与などの利用に懸念を抱いているといいます。
RTNewsが伝えるところによると、プーチン大統領は
「国によっては仮想通貨は投資としてだけでなく、すでに決済方法として利用されており、ロシアの中央銀行とも議論してきたので、中央銀行側の立場も認識している。」
「詐欺や犯罪、脱税、テロ資金などの資金を洗浄するおそれがある。」
と話し、制限されることなく無数に発行されているものや、システムのエラーなどが起こった際に責任を負う立場の者がいないことについても警告をしました。ちなみにプーチン大統領は仮想通貨に可能性を見出し、イーサリアムの開発者であるVitalik Buterin氏と対談を行ったことでも話題となりました。
これ以降、プーチン大統領がマイニング企業と関わりを持ったり、その企業がICOを計画するなどもありました。政府主導でブロックチェーン技術の研究を行っていることからも暗号化ルーブルなどを開発する可能性も考えられています。
これと対称的にロシア連邦中央銀行の第一副総裁、Sergei Shvetsov(セルゲイ・シュベツォフ)氏は10日、ロシア政府がビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)のような仮想通貨を取り扱う仮想通貨取引所のウェブサイトへのアクセスを制限することを明らかにしています。
この対応は、仮想通貨から投資家を保護するために必要な措置だとし、シュベツォフ氏は
「市民や企業にとって、投資対象としての仮想通貨の使用は、非常にリスクが高いと考えている。」
と話しています。投資家保護の観点からということであれば、仮想通貨を完全に禁止という形ではなく、日本のように一定の法基準を設けた上での規制がされ、その枠組みの中での仮想通貨の利用となるのでしょうか。現状では日本より厳しく扱われるような見解が強いです。今後の展開が待たれます。
参考:RT News