11日、SBIホールディングス株式会社とSBI Ripple Asia株式会社が「Beyond Blockchain」テクニカルプログラム(以下、BBCテクニカルプログラム)を発足し、これを発表した。

BBCテクニカルプログラムでは、エンタープライズ用途でのブロックチェーン関連技術において技術者の育成を目指している。

この背景には開発ベンダー側の知識習得機会が限られていたり、個人での技術習得のハードルが高いことから、仮想通貨とDLTを混同されるようなケースも見受けられるため、正しい知識に基き技術者の育成をし、また国内外の大手ベンダー企業24社と活動をしていく。

SBI Ripple Asiaの代表取締役社長である沖田貴史氏によると、ブロックチェーン/DLT(分散型台帳技術)を送金技術に活用していくこと、今月から開始されるBBCテクニカルプログラムの目的などが説明され、今後ますます普及していくDLTを銀行業界だけでなく、証券、電気、法務、会計、不動産からポイントプログラム、マイレージなどといった多岐に渡る分野での活用を見出している。

また、「IoV(価値のインターネット)」として、米Ripple(リップル)社が開発した技術「Interledger Protocol」を活用することで、銀行の台帳をつなぐ銀行間決済はもとより、例えばPaypalやAlipayとの間、また仮想通貨間の決済なども効率的に行うことも可能になる。

現在、送金のシステムは従来使われてきたSWIFTが独占しており、国際送金では時間や手数料といったコストがかかっている。これの効率化を図るために銀行間の送金、とくに国際間での送金に注力していくとしている。

国際間の送金といえば、10日にリップルのソリューションxRapidを使い、米国・メキシコ間での送金を行ったこともアナウンスされた。また、RippleNetに参加する金融機関が100行を超えたこともリップル社によって発表されているが、この中にはSBI Ripple Asiaの提携する金融機関も含まれるという。

最近ではリップル社の拠点としてシンガポールやインドへの進出なども進められているが、これらはリップル社の進めているプロジェクトであり、沖田氏によるとSBI Ripple Asiaではこれらを除いたASEAN(インドネシア、カンボジア、タイ、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、マレーシア、ミャンマー、ラオス)でのDLTを活用した国際送金のソリューション普及も視野に入れている。

SBI Ripple Asiaは今年9月に韓国大手YelloMobile(イエロモバイル)傘下のDAYLI Intelligence(デイリーインテリジェンス)と提携し、DLTを活用した金融機関向け送金サービスの提供を目指している。

多くのブロックチェーン関連企業がDLTのプラットフォームを展開しており、例えばR3のCordaやHyper Ledger Fabricなどが主に挙げられるが、SBI Ripple Asiaでは業界横断的な取り組みとしてこのようなDLTプラットフォームとの連携も図っていくという。

今回発足したBBCテクニカルプログラムによりDLTなど先端技術に精通した技術者が輩出されることにも期待が高まる。SBI Ripple Asiaの今後の動向が注目される。