ビットコインを使った人気のマイクロトレードサービスVALU。個人が自身のVALUトークン(VA)を発行し販売、これを仮想株式として見立てて対価としてビットコインによる出資を受けることができる。

出資者(支援者)は見返りとしてVA発行者の優待などを受けることができ、(優待がない場合もある)お互いにメリットが得られれば、VA発行者、支援者ともに嬉しいサービスではあるが、中には利益を目的に投資として出資をする方も少なくないようだ。

人気のあるVAであれば、価格の高騰も珍しくなく、それを欲しい方に販売することで利益を得ることもできる。本来であれば、利益よりもVA発行者を応援する気持ち(寄付のような形)であったり、優待目当てといったものが健全だが、投資対象として見られがちなのが現状だ。

しかし、VA購入後に発行者の持ち分を過剰に売却されるなどリスクも高い。先日YouTuberのヒカル氏が起こした一連のVALU騒動もこのような内容で金融庁の管轄に及ばない範囲で価格操作などをすることも簡単である。(これが出資者を欺いて金銭を騙し取ることを目的としてVALUをしていたのであれば、刑事訴訟法での詐欺罪としての範囲に適用される可能性もある。)

これが米国であったなら規制の対象となるおそれも考えられるだろう。SEC(米証券取引委員会)では、8月にVALUと同様のサービス提供を目的としたプラットフォーム「Protostarr」のICOを中止させ、それまでに集まったイーサリアム(ETH)の返還をするよう求めている。

SECでは投資家保護を第一に掲げて注意喚起をしており、仮想通貨や、とくにICOに関しては強く警告をしている。金融庁がVALUのようなサービスを認めているのも米国では考えづらいし、米国の投資家はVALUのようなサービスには警戒をするだろう。もちろん、VALUの定めている規約の範囲内での出資など、純粋に見返りのない募金感覚であればこの限りではない。

今後、同様のサービスも国内で増えてくると考えられるので、こういったサービスに出資する場合は、応援で寄付もしくは出資額に見合った優待内容かを考えていく必要が求められる。

米国では行えないようなサービスでも国が違えば参加できる。これはある意味で投資機会のひとつでもあるが、目先の利益に目を眩ませないよう、盲目的にならないようにご注意いただきたい。利用者保護の観点からも金融庁の今後の規制方針にも注目される。

参考:Cryptocoinsnews