日進月歩、目覚ましい技術の発展を遂げているブロックチェーン。投資的な動機だけでなく、ビットコインなど仮想通貨の根幹技術として目を向けられており、多くの機関・企業のみならず中央銀行や政府などもその活用を見出している。
先週行われたFRB主催のフィンテックカンファレンスでは、ボストン連邦準備銀行の副総裁のJim Cunha(ジム・クーニャ)氏がブロックチェーン技術の採用について以下のように語った。
「私はフィンテックがSWIFTのビジネスを奪うことになるとは言いません。いくつかのケースでは、私たちのシステムをより革新的なものにすることができます。」
CoinDeskによると、クーニャ氏はビットコインなど仮想通貨、ブロックチェーンについて、ボストン連邦準備銀行としての取り組みと、その成果がどのようになるのか、個人的な考えとして見通しを話した。
「私の人生では現在構築しているプラットフォームを完成させることはできません。しかし私たちは学んでいくべきです。」
必ずしも仮想通貨=ブロックチェーンではない
このプラットフォームはHyperledger Fabricとイーサリアムを使って構築された、以前には明らかにされていなかった2つのPoC(概念実証)が含まれているという。クーニャ氏のチームで学んだことのひとつとして、ブロックチェーンと仮想通貨は別のものとして考えられると区別している。また、革新は重要なので、通貨を潰さない規制について検討していくべきだとした。
新旧の金融システムの融合
フィンテックを受け入れ革新を実現させるためには、テクノロジーと人々の両方の面で、新旧金融システム間のパートナーシップを強化することを挙げている。
クーニャ氏は、中央銀行間でのパートナーシップで計画されたSTELLAプロジジェクトや、多くの銀行が計画するUtility Settlement Coin(USC)プロジェクトなど、銀行で行っている計画にも指摘をした。
しかし、SWIFTと関連してクーニャ氏はCLSコンソーシアムが設計しているプロジェクトについて、ブロックチェーン技術を最適化するのに、どのようにするべきか見解を示した。
軽快なフィンテックスタートアップが数多くあるが、RippleがSWIFTのマーケットシェアの追求に最も積極的だったことを指摘し、最終的にはより破壊的であると思われるビジネスモデルが最善の方法であるとし、次のように結論づけた。
「パートナーシップによって最終的には成功します。」
各国では、多くの企業がブロックチェーン技術の研究・開発に取り組んでおり、日々新しい技術が生まれている。仮想通貨はしばしば投資的な面にスポットライトがあたるが、技術面においても多くの銀行や企業・機関が注目し、活用を見出しているということを覚えておいて頂きたい。
参考:CoinDesk