昨今、相場の乱高下を繰り返すビットコインなど、仮想通貨に対する過熱を懸念する声が高まっている。その一方では犯罪に使われることも少なくない。

米ニューヨーク州に拠点を置く世界最大の資産運用会社BlackRock(ブラック・ロック)のCEO、LarryFink(ラリー・フィンク)氏がBloombergのインタビューに対し、仮想通貨に対して以下のように語った。

「アジアでは仮想通貨に対して投機的なプラットフォームに使われており、マネーロンダリング(資金洗浄)に使われている。」

仮想通貨を巡っては、特に匿名性の高いものなどはマネーロンダリングや犯罪資金の助長につながるおそれもあり、常々KYC(Know Your Customer:顧客の身元確認)/AML(Anti Money Laundering:マネーロンダリング対策)の徹底などが議論にあがるが、取引所によっては、厳密に審査を行われていないという事実もあり、こういった課題もクリアする必要があるだろう。

また、フィンク氏は仮想通貨を全面的に否定しているわけではなく、受け入れられる機会もあると自身の見解を述べた。

「真のグローバルな仮想通貨が作られれば、マネーロンダリングはもうないだろう。その場合は、サイバー攻撃などからシステムを保護することに懸念がある。」

取引所のセキュリティやウォレットの脆弱性をついたハッキングなどのサイバー攻撃などによる盗難やDDoSによるサーバダウンなども問題視される。こういった点をクリアすることもひとつの課題でもある。

日本国内では改正資金決済法により法整備も進められ、金融庁への登録が義務付けられているが、アジア諸国ではまだ法律が追いついていない国や地域も少なくない。今後、世界的に仮想通貨が認められ流通していくにあたって、課題は多い。

このころでは、国内でも多くの企業が参入を進め、一般的にも認知されるようになってきた仮想通貨。これから投資を始めてみようという方の声も多く聞かれ、新規参入による資金流入も増えているが、市場の成長にはフィンク氏が示した見解もクリアしていくことが求められる。

参考:Bloomberg