世界各国の銀行で仮想通貨を使った実証実験に向けプロジェクトが進められている。例えば日本国内でも先日発表された、みずほフィナンシャルグループとゆうちょ銀行、他邦銀によるJコインの構想などが身近だろうか。
中央銀行では、RBI(インド準備銀行)が独自の仮想通貨発行を検討しており、こういった動きが世界各地で広がっていることから、BIS(国際決済銀行)では中央銀行が発行する仮想通貨をCBCC(Central Bank Cryptocurrencies)と名付け、大口用と小口用で使い分けて活用される可能性があるという発表もあった。
ここで、新たにBCU(ウルグアイ中央銀行)が独自の仮想通貨の構想を計画していることが分かった。これもおそらく国際送金などに用いるためのCBCCだと考えられる。
BCUの総裁、Mario Bergara氏は「El Futuro del Dinero y el Sistema Financiero(お金の未来と金融システム)」というイベント内で、ウルグアイの金融についての見通しを語った。財務分野ではまず現場で何が起こっているのかを理解することが重要だとした上で、技術にかかわらず規制の原則は変わらないという。
Bergara氏はまた、BCUがすでに仮想通貨の発行を開始する準備をしていることを再確認し、すでに技術面や物流面でも活用できることを示した。デジタルな方法による決済が日々増加していることを強調し、経済的な成長の拡大を指摘したという。
ウルグアイは南アメリカ南東部に位置する共和制国家。南アメリカ大陸で二番目に面積が小さい国で、人口約344万人に対してGDPは約524億USドルで、南米諸国内だけでも13位(世界77位)と決して高くはない。しかし、このような国が他国との動きに合わせて、積極的に中央銀行管理の元でCBCCを発行するのであれば、経済的な成長は勢いづくだろう。
ブロックチェーン技術が国際的な広がりを見せている今、多くの国が独自の仮想通貨を開発・研究を進めており、今後より一層技術の発展が期待される。