先日、ICO(イニシャル・コイン・オファリング:仮想通貨の新規発行による資金調達)を禁止した中国金融当局が、今度は仮想通貨取引所の規制に踏み切ったことが分かった。中国メディアの財新網により伝えられている。

今回の規制は仮想通貨取引所の廃止に向けて動いているということで、市場では混乱を招いている。仮想通貨の取引が盛んな中国での全面規制ということであれば、ビットコインやアルトコイン(ビットコイン以外の仮想通貨)の相場にも影響は免れないだろう。

一部報道では、中国人民元を仮想通貨の交換してドルやユーロ、円などを購入するなど、海外への資金流出に歯止めが効かないということも要因の一つとして考えられている。

一方、中国の大手仮想通貨取引所のOKCoin、BTCChina、Huobiの3社は9日、規制に関して当局からの通知はないとし、財新網のニュースに根拠がないとの趣旨を説明した。このことから、今すぐに中国の取引所すべて廃止といったことは考えづらい。

しかしながら、今回の仮想通貨取引所に対する当局による規制が事実であれば、市場への影響は免れないだろう。実際、先日のICO禁止では直後、仮想通貨全体の価格が大幅に下落。市場からは依然懸念の声が続いている。

また、中国といえば大手Bitmainなどがマイニングを率先しているということもあり、マイニング事業が盛んなことでも知られている。今回は仮想通貨取引所への規制に関するものであるが、マイニングなどに波及すれば、さらに事は重大な方向へ向かうだろう。

市場では法整備を徹底した上で中国政府の監視下での運営、もしくは政府が直接仮想通貨に関する機関を設立するなどの道は残されていないのかといった声も散見される。

10日現在ビットコイン(BTC)は4,130ドル(約44万5,000円)と、大きく下げている。当局の動きが明確になれば、ボラティリティ(価格変動率)が拡大していくとの予測が強いため、ここは様子見が正解かもしれない。また、今回の中国の規制に関して中にはフェイクニュースなども混ざって拡散されているようなので、今後の中国当局の動向を慎重に追っていきたい。