スイスに拠点を置く金融グループ、UBS Group AG(UBS)が取りまとめるプロジェクト「Utility Settlement Coin(USC)」に大手銀行6行が新たに加わった。USCは2015年にUBS、BNYメロン、サンタンデール、およびドイツ銀行などが先行して発足したプロジェクト。
今回、加盟が明らかとなったのは、クレディ・スイス、バークレイズ、HSBCホールディングス、カナディアン・インペリアル・バンク・オブ・コマース(CIBC)、ステート・ストリート、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)が加わった。いずれも国際的な規模の銀行であることには違いない。
このプロジェクトでは仮想通貨の根幹技術であるブロックチェーンを利用することで、銀行間での送金や、証券取引など記録や決済をより早く、円滑に実行することを目的としている。
また、USCは、世界中の中央銀行に各銀行が持つ預金を価値の裏付けとし、顧客の資産を保護するいわば担保付の仮想通貨。このUSCプロジェクトは実証実験を進めており、最終段階に入っているという。
しかしながら、USCの担保の裏付けが中央銀行の承認に依存するため、技術的なことは実現可能だが、「中央銀行の承認」という点ではまだ障壁がありそうだ。また、2018年中には限定的なシステム運用を目指すという。
日進月歩開発が進められているフィンテック。今後、ブロックチェーン技術がどれだけ発展していくのだろうか。一般的な普及はまだ先と考えられているが、近い将来にはUSCや、その他の仮想通貨を使った送金が当たり前の時代になっているかもしれない。方方では期待の声も高まっている。
参考:Reuters