しばらく上げ下げをしながらも高騰している仮想通貨ビットコイン(BTC)。週明けの12日に1BTC/33万円(1USD/110円換算)ほどの高値をつけ、各所ではこのまま高値更新を続けていくかという声も見られたが、翌13日には30万円弱まで下落。一時は26万円ほどまで下げた後、15日は28万円前後まで持ち直したが、現在(15日15時)1BTC/26万円あたりを推移している。

この下げ幅はビットコインではとくに珍しいことではない。「暴落がきたか」「調整入った」などの悲観的な声も見られるが、10~20%ほどの下落で一喜一憂していてはとてもじゃないが、神経が持たないだろう。むしろ、ボラティリティ(価格変動率)の高さが投機的でビットコインの魅力のひとつとも言える。この先もしばらく下降すると市場では予測されているため、危険と判断ならしばらくは様子見だろう。

さて、5月の仮想通貨市場は過熱が危ぶまれるほど上昇を続けた。大手企業のビットコイン対応や日本国内での法整備が進むなどの好材料が立て続けに揃ったためと見られる。すでに材料は出尽くしたかと思えば、連日のように前向きなニュースが飛び込んでくる。日本でのビットコインの取引量が多いため、海外のビットコイン投資家たちも日本企業の動向は決して無視できないだろう。

国内大手による取り引き所も開設され、英語が分からなくても少額から気軽に始められるようになり、日本円での取り引きが活性化されているのも前向きに捉えられるが、誰でも買えば儲かるバブル時代を危惧する見方もある。

意見も見事に2分化され、日本デジタルマネー協会代表の本間氏は「間違いなく暴落する」と述べ、ゴールドマン・サックスのジャファリ氏も「下降局面に反転するかもしれない」と意見している。

対して、米投資家のジム・クレイマー氏は「ビットコインの価格は100万ドル(約1億1,000万円)に上昇する可能性がある」とCNBCの番組内で発言した。

今回の相場が一時的な調整で、押し目買いが集中すれば先の下落は帳消しにできるかもしれないが、果たしてどう転がるだろうか。8月1日のUASFによるセグウィット問題も懸念材料として抱える中、今後の相場動向が注目されている。