日本銀行が中央銀行デジタル通貨(CBDC)の実証実験を本格的に始める構えであることを朝日新聞が報じた。
年初には欧州中央銀行、カナダ銀行、イングランド銀行、スウェーデン・リクスバンク、スイス国民銀行、国際決済銀行などとCBDCに関する共同研究グループを立ち上げ、国際的な枠組みで足並みを揃えて世界水準のCBDCを制定していく方針を取っていた。
また、日本政府としてもデジタル通貨を推進していく構えを7月、骨太の方針で閣議決定した。日銀・黒田総裁はかつてデジタル通貨について否定的な考えを示していたが、現在は推進する立場となった。
昨年、中国がデジタル人民元とブロックチェーン開発に注力すると発表してから国際的にもCBDCへの関心の高まりが大きい。一方で、基軸通貨を擁する米国は新たに不安定な通貨を生み出す必要はないという考えを示し、他国に先を譲ることに懸念を示すグローバルステーブルコインLibraに対しても否定的な立場を継続している。
日銀の実証実験の開始時期は未定となっているが、民間の知恵を借りて進めていく考えを示し、現金と同様にいつでもどこでも利用可能な「ユニバーサルアクセス」と、災害などにより通信、電源などが途絶えた際の「強靭性」の重要性を指摘しており、こうした機能の実現性を実証実験で確かめる方針とした。
参考:朝日新聞デジタル