中国大手仮想通貨取引所BinanceのCEOジャオ・チャポン氏が、現在中国を中心として世界を震撼させる新型コロナウイルスの被害者支援へ向けて1000万元、日本円にして約1億5700万円の寄付を実施したことを明らかにした。
Binanceは大幅な世界展開でも有名な仮想通貨取引所だが、慈善活動にも力を入れていることでも知られている。慈善団体としてBinance Charity Foundationを立ち上げ、2018年に起きた西日本豪雨災害へむけても被災地に合計1億5000万円を超える寄付も行った。
新型コロナウイルスの被害者は28日現在の時点で患者数が4500人超、死者も100人を超えた。発症以前の潜伏期にあっても感染するケースが確認されており、今後被害がどこまで拡大していくか懸念されている。
今回の新型コロナウイルスに関してもBinanceから寄付がされることとなったが、今までの寄付の形式とは少し様子が異なっている。今回の寄付は仮想通貨ではしないとチャンポン氏は名言しており、その理由として中国の事情がある。中国は現在デジタル人民元に対して積極的に進めておりブロックチェーン開発にも集中しているが、依然として仮想通貨に対しては厳しい規制が設けられており、仮想通貨での寄付はスムーズに換金できない問題が発生すると予想される。
西日本豪雨の際にはビットコイン、イーサリアムなどが用いられたが、同じ形式での寄付は中国規制当局との摩擦を警戒し、中国元そのままでの寄付を決定したものと見られる。
仮想通貨による寄付の授受は広がりを見せてきており、慈善活動に利用されることでイメージ向上も見られる。日本においてはスタンダードと言えるほどの寄付手段には育っていないが、UNICEFが仮想通貨の寄付を受け付けるなど着実に裾野は広がってきている。送金手数料の低さによるメリットは少額送金でこそ際立つため、民衆による最も手軽な慈善活動に今後育っていく可能性は大いにあるだろう。
参考:CZ Binance(twitter)