ロシアの国営通信社であるRIAノーボスチ通信社は、政府が決済手段としての仮想通貨を禁止する運びであることを、中央銀行として歓迎していることを伝えた。曰く「民間の出す仮想通貨は法定通貨と捉える事は不可能で、正式に運営する事は認めない。政府の方針に従う。」と語られている。
今年11月になってロシアとブラジル、インドと中国や南アフリカによるBRICSが、共通で使用可能な仮想通貨を作っていることが判明した。また、中国がデジタル人民元を公言したように、ロシアも政府発行の仮想通貨であれば前向きな姿勢にあるのかと考えられたが、実際はそうではないという見方も強い。
2013年6月に中央銀行総裁として務め、経済方面におけるウラジーミル・プーチン大統領の強力なスタッフと言われるエリヴィラ・ナビウリナ氏は、「ロシア銀行として国家の出す仮想通貨を発行する構えだったが、マネーロンダリングやテロ資金、価格変動の激しい揺れ幅と言ったような、予想されるリスクよりもメリットがあるようには調査の上で感じられない。」とコメントしている。
元々ロシアは仮想通貨規制に積極的であるが、中央銀行に関しては仮想通貨やデジタル通貨に対する扱いが曖昧だと指摘されており、金融活動作業部会(FATF)は、2019年6月の時点でその態度を改めるようにと通達していた。
エリヴィラ・ナビウリナ氏は仮想通貨をロシアの諺である「タダのチーズがあるのは、ネズミ捕りの上だけ」に仮想通貨を例えている。『利益につられていてそれが罠だと気付いていないと、敵の策略に引っかかる』と言う意味だが、エリヴィラ・ナビウリナ氏はさらに「簡単に手に入ったお金はすぐに失う」と付け加えている。
悪銭身につかず、Easy come, Easy goなど同義の諺は多数語られて来ているが、いずれにしても仮想通貨に対して否定的な解釈と捉えてよいだろう。また、政府や中央銀行のみならず、やはり規制当局も「国内で使われているようだが、最初から決済手段として認めていない」と仮想通貨に厳しい姿勢を見せている。
参考:ria.ru