中国がデジタル通貨を発行することにより、当局による情報統制があるのではという懸念に対し、中国人民銀行(PBoC)の幹部がコメントを発した。
中国人民銀行の幹部でデジタル通貨リサーチ部門のトップでもある穆長春(ムー・チャンチュン)氏は、ロイター通信からのインデビューで「国民に対する情報統制の意図はない」と説明。
ムー氏はシンガポールの会議の場で「決済取引の匿名性を維持したいとの要望は認識している」などと言及し、一定の配慮を見せている。
その一方で、ルールや規制作りをどのようにしていくかが課題となっており、マネーロンダリング(資金洗浄)やテロ資金供与など犯罪行為への対応とバランスを維持する必要があるとも指摘している。
その上で「それが我々の維持すべきバランスであり、目標だ。我々は国民の情報を完全に支配しようとはしていない」と述べた。
中国はデジタル通貨を発行する最初の国になると見られており、世界的なデジタル通貨開発の流れに伴い、中国国内の個人資産への監視・検閲リスクなどに対し、どのような対応をとるのか世界中の金融サービス業者が今後の動向を注視している。
参考:REUTERS