先月末、Googleが量子超越性を示しビットコイン相場が急落した直後に中国・習近平国家主席がイノベーションの中核技術にブロックチェーンを採用する発言を受け一気に持ち直す場面があった。量子超越性は暗号解析を即座に脅かすものではなく、ブロックチェーンへの投資が即ビットコインに繋がるものではなかったが、市場への反映は事実が全てというわけではない。そういった中で、中国の仮想通貨ファンド・龍門キャピタルの日本代表であるサニー・ワン氏は、むしろこれからが真の相場と見ていることをコインテレグラフの取材において明かされた。
ワン氏は今の相場が小さな波に過ぎないと強調、その理由として習主席が指示をしたあとの流れを指摘した。習主席が指示を出すことで各省庁、地方政府、果ては学校や民間企業などもブロックチェーンについて学びだし、理解が進むに連れてブロックチェーンの価値、そして切っても切り離せないビットコインとの関係なども理解されれば、表向きはブロックチェーン技術の推進に動いてはいても、裏でビットコインの購入が進むはずだという指摘だ。
ワン氏はチャイナパワーについても言及しており、本格的にチャイナパワーがビットコインへ流入すれば40%程度の値動きで済むはずがないと見ている。
世界一の人口を誇り、経済規模でも驚異的速さでのぼり詰めている中国が国を挙げて動くというのは仮想通貨マーケットにおいても非常に大きな出来事と言える。公的にはブロックチェーンへの投資を明言しただけでありビットコインなど仮想通貨へは言及していない点をどう読むかが鍵となる。ICOや取引の禁止など、仮想通貨に対して厳しい姿勢を取っている中国ではあるが、ブロックチェーンへ舵を切ったことで仮想通貨も許容とみなすのか。
ビットコインの最高値からは半値以下である現状に、ワン氏の指摘するようなチャイナパワーが今後注ぎ込まれるとしたら当然加熱することが考えられるが、ブロックチェーンと仮想通貨は切り離すべしと、中国政府側から改めて規制を強める可能性も否めない。
中国国内でも意識が高まり注目が集まる今は中国政府側の発言にしばらく市場が振り回される可能性が高いだろう。
参考:コインテレグラフジャパン