仮想通貨取引所Coincheck(運営:コインチェック株式会社)は昨日、仮想通貨の定期積立を可能にする「Coincheckつみたて」を開始した。今後取り扱い通貨を増やす予定だが、現時点ではビットコインのみを用いて積立が出来るようになっている。
積立とは一定のサイクルで一定の金額をコンスタントに貯蓄していくことである。将来的に必要な出費を計画的に予め確保しておくための手法であり、例えばマイホーム購入資金や子供の教育費などがメジャーな商品だが、個人でも毎月少額を積み立てて年に一度の旅行の費用に充てるといった運用をされる方もいるのではないだろうか。
「Coincheckつみたて」では最低1万円から1000円単位で最大10万円までユーザーが決定した金額を毎月仮想通貨として積み立てられるようになっている。日本円は指定の銀行口座から自動引落が可能であり、引き落としから仮想通貨への振替を含めて手数料無料となっている。
運用の方法としてはドルコスト平均法と等しく、同額ずつ購入していくことで購入価格を安定させる効果がある。「Coincheckつみたて」に掲載されているシミュレーション例によれば、2018年10月から1万円単位で積立を開始していた場合、2019年9月には12万円の投資に対して保有ビットコインは221,193円となり、原本の1.8倍ほどになっている。
最安値のときに全額購入するのが最効率であるには違いないが、予言めいた能力でもない限りは底値を完璧に予測することは不可能であり、システマティックに購入することで「今よりもっと安い金額で買えるかもしれない」という判断を排除し、購入機会を失わずに確実に積み立てることができる。自動であるがゆえに発生しうるコストではあるが、メリットに対するトレードオフと言えるだろう。
反対に不得意な分野としては、短期間で一気に目標金額を達成するというのは不向きだろう。「Coincheckつみたて」ではユーザーが操作をしない限り、自動的に決まった金額が積み立てられていく。積み立てられた仮想通貨がどれほどの金額になっているかは相場任せであり、下げ相場で利益を出すことができるような手法ではない。
資産運用としてもボラティリティの高さから敬遠されていた方も多いかもしれないが、こういった運用が一般的になることも古典的な通貨と同様の普及をするための一助となるのかもしれない。
参考:Coincheck