イギリス公共放送のBBCは13日に7つの先進国からなるG7関連の中央銀行と国際金融基金、金融安定理事会らが「世界を股にかけるステーブルコインは、従来の金融に影響を及ぼしかねない」というレポートを提出していた事を明らかにした。これらは今週行われるIMF年次総会にて改めて発表される運びであるという。

ステーブルコインとは法定通貨などの安定資産で価値を証明させている仮想通貨のことである。従来の仮想通貨は価値が大きく変動しやすい欠点があるが、安定している通貨などにより価値の変動を抑えることで既存の通貨の安定性といったメリットを仮想通貨に組み込む形で開発された。

しかし日本の財務省は今年の7月19日に、そのステーブルコインが抱える問題点をG7として具体的に話している。ステーブルコインは確かに市場を盛り上げる存在かもしれないが、出来たばかりのものなのでマネーロンダリングやテロ資金対策、データ保護やコンプライアンス問題などを解決しきれておらず、大きな問題が発生するリスクがあるという。

また、ステーブルコインの活動範囲は今までは小さいものだったかもしれないが、グローバル企業がやるしたらそうではないと言うのもG7の見解だ。

そのグローバルなステーブルコインとして最も問題視されているのがFacebookが独自発行するLibraである。FacebookはLibra協会を立ち上げ25もの企業や団体と提携を行い、新たなる通貨のグローバルスタンダードにしようと言う構想だが、その機首であるFacebook自体が今年、5億4000万件分のデータを流出させるなどセキュリティ問題に対して懸念がある企業でもある。

せめてそういった懸念が解消されていればまだしも、米政府や議会などとの公聴会でもLibraのセキュリティ保護対策がいまいち腑に落ちないことも、各国のデータ保護団体が伝えている。

今回のG7の表明はあくまでLibraではなくステーブルコイン自体に対してへの警告だが、Libraに対して伝えている部分が強く、「Libraのような未成熟の状態のものがグローバルに動くのは早い。」とも述べている。

なおLibra協会に当初から参加していたVisaやMastercardが、不確実性を理由に脱退した事を先日発表した。ステーブルコインは内外を納得させるものではないと、グローバルな展開が難しい事が改めて浮き彫りにされた状態だ。

参考:BBC