アメリカの通信大手事業者であるVerizon(ベライゾン)がブロックチェーン基盤の暗号化技術で保護された新しいSIMカード、バーチャルSIM(vSIM)に関する特許を申請したことが米国特許商標庁(USPTO)にて明らかとなった。
vSIMとは従来の物理的なSIMカードを、ブロックチェーンで暗号化したソフトウェア型のSIMに置き換える方法だと説明されている。
このvSIMは、まずユーザーアカウントと関連付けされるネットワークを選択し、その後ネットワークサービス用のvSIM証明書と国際モバイル加入者識別情報、IMSIを含めたブロックチェーンを作成する。
vSIM証明書はユーザーアカウントにリンクされ、クライアントのモバイルデバイスでアクティブ化することができるという。
これによりブロックチェーンでユーザーを認識し、どのような経路でモバイル取引がされたのか、そしてどの相手とやり取りをしたかなどが特定することができる。
従来の物理的SIMのように紛失を心配することもなく、今後はSIMの交換なども不要になる。
また、悪意のある改ざんを防ぐことを、トランザクションを暗号資産化技術で保護されたブロックに保存することで実現可能だとしている。
このように改ざんなどのリスクが大幅に解消される期待があるため、実用化されれば、今所有しているスマートフォンなどのモバイル端末が本人の身分証明としての役目を果たすなどの進化も考えられる。
今、あらゆるアプリなどで本人認証などの手続きをする必要があるが、今後ブロックチェーンで本人確認が直接できることも可能になるためにあらゆるサービスの簡素化、そして身元不明時の確認端末としても役目を担うことも考えられる。
ブロックチェーンによるvSIMは様々な分野でアナログ的に扱われていた部分を解消させるとしても、悪用する人々も現れることもあるために、この技術を採用しつつ、どのような扱いをすべきなのかコンプライアンス面でも研究されていく必要がある。