国税庁が仮想通貨の取引やネットオークション、動画配信、民泊などのインターネットを通じ、個人が得た収入に対し、適切に課税ができるようにと、7月から全国12カ所にある国税局・事務局に合計200人規模の専門プロジェクトチームを設置して情報収集の対策を強化することを発表した。
現在、日本のネット取引に対して一部の人々が多額の収入を得ているにも関わらず、税金を適切に支払っていない例が多く見られており、国税庁はこのような問題を解決するために専門チームを発足すると見られている。
今回、報道した日本経済新聞によれば、今年7月から全国に合計200人規模の専門のプロジェクトチームを設置して、重点的に調査を進めるとともに、調査のノウハウを共有・蓄積すると説明している。
具体的には、多額の利益を得た顧客情報を仮想通貨交換業者から入手し、無申告や課税逃れを防止するとしている。
3月末に成立した、2020年1月に施行される改正国税通則法により、国営当局は一定条件の下で多額の利益を得た顧客などの情報を事業者に問い合わせて確認することができるようになっており、もし事業者が正当な理由を持たずに情報提供を行わない場合には罰則が科せられる場合もあると言う。
国税庁は仮想通貨取引以外にもネット取引で使われるオークションサイトなどの運営事業者から情報を入手し、申告漏れの発見に活かしていくとしている。
今までは事業者によっては情報提供を求めたとしても断られるケースもあったこともあり、国税庁の幹部からは法律に基づいて顧客情報を紹介できるようになったことは強力な武器になると話している。
このような法整備が進んだ要因には東京国税局の調査部門が仮想通貨取引で総額100億円の申告漏れを指摘したこともあり、沖縄県那覇市で独自の仮想通貨を販売していたエクラドクールが、2017年5月期までの2年間で約9億円の所得隠しが指摘されたことも明らかにされたこともある。
今回、仮想通貨取引に注目しそうだが、今後すべてのネット取引は監視される体制となっていくことだろう。
キャッシュレス社会になっていく中で、人々がどんな目的にお金が使われていくのかにも閲覧される可能性もあることから、国側としても業務に関わる人々のモラルの強化も必要になっていくことと見られる。
参考:日経新聞