仮想通貨市場にまたマイナス材料が現われることとなった。韓国の仮想通貨取引所であるCoinbin(コインビン)が破産申請を行ったことがわかった。これによる損失額は約293億ウォン(約29億円)にのぼると見られている。

また、影響を受ける利用者は約4万人と言われており、韓国は日本と同様に仮想通貨取引者が多い国として知られており、仮想通貨市場に少なくとも影響を与えると見られる。

さらに破産申請を行った経緯としてコインビンの経営幹部による横領が発覚した事もあり、コインビン内に仮想通貨を保管していた投資家にとって、返金される補償があるのか不透明なのが現状だ。

横領したと見られる幹部はコインビンにて仮想通貨管理を担当しており、この幹部によれば昨年11月にて、ビットコインが520BTC、イーサリアムが101.26ETH入ったコールドウォレットの秘密鍵を紛失したとしている。

この幹部が仮想通貨の専門家であるため、紛失が意図的なものであって、横領に当たるとの見方が強い。取引所リスクの最たる例とも言えるだろう。

ネットワークに繋がれているホットウォレットでなく、繋がれていないコールドウォレットを採用していると言われたとしても内部の従業員が不正に流用するようであれば、ウォレットに保管していた仮想通貨が無くなる可能性がある。

日本においても社会的に影響を与えたコインチェックのNEM流出事件において、ネットワークから切り離されたホットウォレットでなく、コールドウォレットで保管していると説明しておきながらも、実際にはホットウォレットの状態で保管してあったこともあり、取引所側の運営体制、意識によって利用している投資家に影響を与えることとなった。

現状の銀行の金融機関には万が一企業が破綻してとしても1,000万円まで補償があるとしても仮想通貨取引所にはそのような取り決めがない。

今回のコインビンでの事例を鑑みれば仮想通貨は自身で保管するのが通常であると認識を変えた方がいいのかもしれない。

参考:Business Korea