匿名通貨として広く知られている仮想通貨モネロ(XMR)が新たな使い道として現在米国に拘留されている移民に対して使われることがわかった。Bail Blocの共同創設者がツイッターに投稿したことで明らかになった。
Exactly one year ago today, we launched Bail Bloc, which has been using your spare computing power to get people out of pre-trial incarceration. Today we're launching Bail Bloc 2.0, which uses spare computing power to get people out of ICE detention. https://t.co/ZNaSw5pSQe
— Maya Binyam (@mayabinyam) 2018年11月15日
公判を控えてICE(移民税関捜査局)に拘留されている人々の支援にマイニングによる募金活用するイニシアティブを開始するという。ICEは米連邦政府の法執行機関で国境をまたぐ犯罪や不法移住を取り締まっている。
ICEに拘束されている人が釈放されるためには移民保釈金を支払わなければならないが、統計によれば実際に支払われるのは47%に留まっていると言う。
保釈金を支払うことができなかったり、保釈が許可されなかった人は長期に渡り拘束され、法定審問を待つ必要がある。そこでBail Blocは保釈金が支払えるように、マイニングで集めた募金で支援をしている。
モネロと言うと過去にダークウェブでの違法取引に使われた事でイメージダウンをした時期もあったが、一部のモネロファンからはマイニングの容易さや匿名性の高さもあり人気は根強い。
ビットコインやイーサリアムなどで募集する事も考えられるが、主要な仮想通貨でもこれらの通貨は利用する人々が多い事からマイニングにおいて報酬を得ることは日を重ねるごとに難しくなってきているのが現状だ。
しかし最近ではマルウェアの話題もあって、実際にマイニングのためにアプリをダウンロードしてたとしても後にウィルスに感染する事も考えられるため踏みとどまってしまい、利用するのは一部のユーザーだけに限定されてしまう。
そこでBail Blocとしてもリリースしたアプリをインストールをすることで、ユーザーのコンピュータの処理能力のごく一部を用い、10%規定値からオプションで50%までモネロのマイニング消費に当てることができる。
人道支援においてはユニセフがマイニングによって難民支援できるサイトを設立するなどの動きも見られた。今後サポートしたい人向けのマイニングアプリはさらに普及していくだろう。
参考:Bail Bloc