世界四大会計事務所(Big Four)のひとつであるDeloitte(デロイト)が、ブロックチェーンベースのデジタルIDシステムを開発するため、アイデンティティ管理会社Attest Inc.と提携したことがわかった。5日、プレスリリースにより発表された。

Attestは米イリノイ州のシカゴに本拠を置くアイデンティティ管理会社であり、顧客が取引を行うことを可能にする共有アイデンティティプラットフォームを提供している。今回はDeloitteと提携し、政府が管理するブロックチェーンベースのデジタルIDシステムを展開することになる。

Attestは政府と企業間における個人情報共有に特化したソリューションとして「Attest Wallet」と「Attest Enterprise」の2つの製品を発表した。

Attest Walletは、仮想通貨ウォレットのような暗号で保護された記憶域で、ユーザーが政府と企業のIDのデジタルバージョンを1か所に保存し、格納された情報へのアクセスを制御できるという。

Attest Enterpriseは、2つのアプリケーションプログラミングインターフェイス(API)で構成され、ユーザーは自分のIDを確認し、サードパーティを承認し、他のユーザーに代わってデータを管理することができるという。

AttestのCEOであるCab Morris氏は「政府発行のデジタルIDは、すべての業界における企業のコストとリスクを削減する可能性を秘めていると同時に、より強固なセキュリティ、プライバシー、データを市民に提供することができます。」と語り、政府の定める基準に準拠するサービスのメリットを強調した。

また、Deloitte Consulting LLPのマネージング・ディレクター(MD)であるWendy Henry氏は、「多くの企業が個人のデジタルIDを管理する財布を使用しているが、政府はIDをデジタル形式で受け入れることができない人も含め、市民全体にサービスを提供しなければならない。」と述べ、市民全体という大規模なサービスを展開していく方針を語った。

参考:PR Newswire