セキュリティ対策ソフトMcAfee創業者であるJohn McAfee氏と、Bitcoin.comのCEOであるRoger Ver氏の対談動画が2日、Bitcoin.comの公式ホームページで公開された。

Ver氏は、2016年にはMcAfee氏が率いるMGTキャピタルインベストメントの仮想通貨諮問委員会の会長に任命され、昨年はMcAfee氏の誕生日会に呼ばれるなど、公私共に仲が良いことで知られている。

今回Bitcoin.comで配信された動画では、Ver氏がMcAfee氏にインタビューを行う形式で行われた。

以下は当対談動画から一部抜粋したものである。

－Ver氏

「僕たちは、似たような理由でこの業界に興味を持っているけど、Johnがどうしてこの業界に興味を持っているのか、少し詳しく教えてくれないか？」

－McAfee氏

「僕はただ一つのことに関心がある。それは“個人の自由”だ。もう歳も72になるが、これまで周りに数ある権力構造の中で、なるべく自由になれるように心がけてきた。ちなみにこの権力構造というのは“力”と“許可”によって成り立っている。まず、ブロックチェーンができることについてだが、そもそもブロックチェーンの技術が太古の昔からあったとすれば、今の時代はかなり変わっているはずだということは想像に難くないだろう。歴史というのはその時代の征服者によって作られてきたと言ってもいいからね。」

－Ver氏

「ブロックチェーンが誕生した今こそが、真の歴史の記録が始まったとも言われているよね。」

－McAfee氏

「その通りだ。例えば、今この権力構造の中で誰かが違法な問題を起こした場合、警察や、立法、規制による“力”が働く。出来事は彼らによって記録されていく。仮想通貨取引所のHitBTCが資産を盗む事件があったが、今ではブロックチェーン上にすべて真実の出来事が載っているため、記録は真実のまま自然と記録されている。事実を見て、理解するだけだ。盗難が続いている事実を見れば、HitBTCを利用する人もいなくなるだろう。だが、罰する者は誰か？と問う人も出てくるだろう。」

－Ver氏

「市場ですね。」

－McAfee氏

「その通りだ。市場が罰する。例えば、動物のガゼルがある特定の場所へ行くと必ずライオンに襲われて食べられてしまうとすれば、その場所へ行くなと言うだけだ。その場所を避け、他の場所で食べ物を探そうとすればいいだけである。要するに、我々が必要としているのは、“真実”と、それを受け止め、自分の行動に責任を持つという“意欲”だけである。そして、誰もあなたを守ってくれないという事実を受け止めることだ。“規制”はあなたを守るものではない。“規制”とは、コントロールをするためにあるものだ。人々はそれを理解する必要がある。」

－Ver氏

「守ってくれるとすれば、市場で約束された補償くらいでしょうか。」

－McAfee氏

「その通りだ！」

－Ver氏

「確かに、規制があるから大丈夫、規制されていれば安心だ、と思っている人は多い。僕はそれは“モラルハザード”であると感じているよ。」

－McAfee氏

「人生には安全な出来事ばかりではないからね。」

－Ver氏

「さて、今後はどうしていくつもりなんだい？」

－McAfee氏

「自由を求め続けていくと思うよ。この業界には未来がある。仮想通貨はブロックチェーンがファイナンシャルな業界で生んだものだが、ブロックチェーンはどんなものにでも使える。先ほどもあげたように真実の歴史を作るという意味でも使える。実際に何が起こったかを事実のまま記録するということは、これまでに無かったことだ。例えば、CNNがああ言っているが、一方でFoxニュースはこう言い、ロイターはまた違うこと言い、街の人は自分で作り上げたことを言っている。真実を知ることが難しいが、ブロックチェーンによって真実を知ることができるのだ。物事の真実を知れること、今の自分と過去の自分の真実を知ることができれば、どんなに自由だろうか？」

－Ver氏

「あなたが持つこうした世界観というのは、どのようにして学んだのですか？学校では教えてくれないことですよね。」

－McAfee氏

「学校で学んだ一番大事なことは“誰もあなたの味方じゃない”ということ。あなたの味方でいることが、相手にとって利益を生むなら別だがね。信じるのは自分の経験、自分の知識、自分の周りの真実の把握だけだ。そうすれば他人を信じる必要はない。それゆえにたくさんの人を愛し、全てを受け入れることが可能だ。自分の目で何が真実かを確かめることができるからね。私はこうしてここまでやってきたよ。」