ロシアの国営原子力企業であるRosatom(ロスアトム)が、ブロックチェーン技術の開発を計画していることが分かった。
ロスアトムのIT部門代表であるEvgenity Abakumov氏は、新しい新技術としてAI(人工知能)、ブロックチェーン、IoT(モノのインターネット)に焦点を当てており、同企業のIT部門責任者は製造プロセスの効率を向上させると述べている。
これらの技術により、製造工程に関わる企業にとっては生産ラインの見直し、品質向上、人員配置の見直しなど様々な工程に対して貢献できる可能性がある。
ロスアトムにとってこの3つの分野を積極的に導入することで新たな人材を育てようとしていることから、今後この分野での技術者の需要が高まっていくだろう。原子力企業であるロスアトムは、原子力分野といった難しい分野に携わっている事から、彼らの動機には説得力がある。
ロシア国内においては、公的機関がブロックチェーン以外にも仮想通貨関連の技術に対し幅広く関心を示しており、ロシア国家年金基金は労使関係においてブロックチェーンやスマートコントラクトの実装計画を立てている。
日本国内においては、今年8月に大手IT企業の富士通が製造業界における監査証跡の実証実験をIOTAのプロトコルを使って実施することを発表し、透明性やデータの真正性、データセキュリティの向上に期待されている。
製造分野に関わる企業においては改めて品質のあり方について考えを改めていく必要があり、今回のロスアトムの発言はむしろ安全を確保するためには、この分野の技術は必要不可欠だと裏付けるものとなったことだろう。