仮想通貨市場が低迷している一方、米仮想通貨取引所大手であるコインベースの勢いが増している。
コインベースは今年に入りわずか7ヶ月で従業員を倍増させ、500人体制を構築したと7日、Business Insiderによって伝えられている。
コインベースの幹部は2月に、従業員250人を今年末までに倍増させる計画を明らかにしていたが、コインベースの担当者によれば、9月の時点で既に500人の目標を達成しているという。
この半年で積極的に拠点の開設を進めており、今年6月には日本進出に向けて東京オフィスを開設し、シカゴや米オレゴン州のポートランド、アイルランドのダブリンにもオフィスを開設した。
ポートランドに関しては新たに100人の雇用をしており、他大手取引所で有名なバイナンスがブロックチェーン技術に進む中、コインベースはグローバル化の方向へと進んでいる。
この状況に関し、コインベースのCEOであるブライアン・アームストロング氏は8日、テッククランチのイベントの中で仮想通貨界のNYSE(ニューヨーク証券取引所)を目指すとして、成長への野心を語っている。
今年5月には将来仮想通貨のエコシステムに属する人は10億人に増えるとも語り、仮想通貨の未来についても自信をのぞかせている。
また、ただオフィスや人員増強だけをしているわけではなく、先週には世界最大の資産運用会社であるブラックロックと共同で、ビットコインETF(上場投資信託)の組成を検討していることも明らかとなっている。
日本国内において投資信託の減益が話題になっていることもあって、投資信託に冷ややかな投資家が増えている中で、ブラックロックと手を組むことで仮想通貨以外の市場からも期待感が出てきている。
コインベースが事業拡大をしている一方で、競合他社で知られている米仮想通貨取引所のクラーケンは北米で57人の従業員をリストラしている。今後、取引所の先見の目が確かであるかは時間が経つにつれて明らかとなっていくだろう。