Ethereum(イーサリアム)の共同創始者であるヴィタリック・ブテリン氏は8日、Bloombergの取材に対し、仮想通貨業界では2017年に見られたような1,000倍に成長するような動きはもう見られないだろうと答えた。

ブテリン氏は、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)、リップル(XRP)、ビットコインキャッシュ(BCH)といった主要な仮想通貨が価格が10~300倍近くの収益をあげた2017年12月時点で、仮想通貨とブロックチェーン技術の認識がすでに高い点に達していることを強調した。

「ブロックチェーン業界は、すでに天井が見え始めている。仮に、一般的な教育を受けた人間にブロックチェーンのことを聞いたならば、少なくとも一度は聞いたことがあると言うだろう。そうした業界に1,000倍の成長が見込まれるといった機会はもうないでしょう。」

昨年の投機的なバブルによって、新興の資産クラスとしては異例なほど大多数の人間が仮想通貨に関心を抱くようになった。ただ、ブテリン氏は、今後企業はプロモーションや関心を集めるのではなく、この分散システムのユーザビリティやアクセシビリティの向上に焦点を当てていくだろうと述べた。

さらにブテリン氏は、ブロックチェーン技術と仮想通貨をより広範に消費者へ向けて推進する戦略は行き詰まっていることを指摘し、今は分散システム、アプリケーション(DApp)、およびプロトコルのインフラストラクチャを改善して、消費者がブロックチェーンベースプラットフォームにコミットすることに力を入れることが必要であると述べた。

「実際の経済活動における、実際のアプリケーションに興味を持っている人々からまずは始めよう。広範に渡って消費者に広める戦略は、もう終わりに近づいている。」

最後にそう付け加え、インタビューを締めくくった。ブテリン氏は今年2月に「仮想通貨の価値がゼロ近くになるかもしれない。」とも語っており、以前から投機熱を懸念していた。引き続き、同氏の発言には注目していきたい。

参考:Bloomberg