2日、日本の大手企業ソニーがブロックチェーン関連の2つの特許を申請していることが、米国特許商標庁(USPTO)によって公開された。

従来、ハイテク企業というのは教育データ管理やセキュリティといったテクノロジーの使用事例を中心に特許出願を行うことが多いが、今回ソニーによって申請された2つの特許は、「DLT(分散型台帳)を維持するための電子ノードと方法」と「デバイスとシステム」の2つで、ブロックチェーンの技術ではなく、ハードウェアに焦点が当てられたものになる。

1つ目の特許には、「ハードウェアノード」と、ブロックチェーンを維持するための「方法」の2つの要素があるが、文書には「マイニング・プロセス」という言葉が度々強調されている。以下は申告された内容の一部である。

「この分散型台帳は、ブロックチェーンであってもよく、ビットコインのブロックチェーンに使用されるような原理に基づくものであってもよい。分散型台帳は、マイニングとプルーフ・オブ・ワークの仕組みを使用しており、通貨やマイニング成果の報酬として与えられるビットコインのような報酬(通貨・トークンなど)を利用するかもしれない。さらに、分散型台帳は、すべての電子ノードがコンセンサスを持つことを保証するためのコンセンサスメカニズムを使用することができる。」

2つ目の特許である「デバイスとシステム」では、少数のノードしか持たないネットワークのセキュリティリスクを捉えている。

「分散型台帳にアクセスするデバイスの数が少なくなると、セキュリティ問題が発生する可能性があるため、バーチャルノードを使用して本数を大幅に増やすことを提案している。」

ソニーは、ネットワークはプライベート型かパブリック型になる可能性を示唆しており、ソニー独自のソフトウェアまたは「Hadoopのような分散型データベース技術」のいずれかに依拠することになるかもしれないとしている。

ソニーは去年10月、ブロックチェーンを基盤とした2要素認証システム(MFA)の特許申請を行うなど、ブロックチェーンの技術力の確保に力を入れている姿勢が見られる。

しかし、今回の提出書類はソニーが将来の製品にマイニングのハードウェアを含めることができることを示唆している。マイニングによってシステムを運用するとなると、ソニーの独自通貨発行の可能性などもあり、今後の動向が注目される。

参考:USPTO, USPTO