スイス最大手の銀行であるUBSは、少なくとも現時点ではビットコインは通貨でもなければ実用的な資産クラスでもないと考えているようだ。

というのも、同社は今月2日にリリースした調査報告書で、「ビットコインはお金とみなされるための基準を満たしていない」と明確に結論づけた。以下は報告書の内容の一部である。

「固定供給量と珍しい需要動向により、システムは高価なボラティリティ(価格変動)を受けやすくなっており、このことによりビットコインはお金としての役割、または新しい資産クラスになることが困難になっている。」

しかし、これは今後ビットコインがお金としての役割を果たす可能性を否定したものではなく、今後スケーラビリティや規制によるサポートを受けることができれば、「実用的な支払いの仕組み」、または「保守的で伝統的な資産家でも参加できる正当な資産クラス」になり得るということを主張した。

レポートによれば、同社には投資家から多くの質問が寄せられており、今回の調査報告書は仮想通貨業界に強い関心を寄せている投資家たちに対する銀行側の回答であると言う。同様に、仮想通貨の基盤となるブロックチェーン技術は多くの人々が将来の見込みに対して明るい展望を持っているため、「常に開発の最前線を維持する」ことに務める計画であることを語った。

UBSが仮想通貨に関して慎重な見解を表明したのは今回が初めてではない。2017年には、急激に価格が上昇したことからビットコインを「投機的なバブル」と宣言した。しかし一方で、銀行はブロックチェーンに関しては強気に推し進めており、「様々な業界でブロックチェーンが大きな影響を及ぼす可能性がある」と当時の報告書で投資家たちに助言している。

ブロックチェーンについてはその技術を活用しようと日々開発が進んでいるが、ビットコインについてはボラティリティ問題が解決されない限り、UBSがビットコインをお金と認めることはなさそうだ。

参考:CoinDesk