米大手銀行のウェルズ・ファーゴが、データを保護するトークン化システムの特許を申請した事が分かった。17日、米国特許商標庁(USPTO)による特許申請書によって公開されている。
この特許申請書によれば、トークン化することにより、文書、図、データベース値などのあらゆる種類のデータ要素の検索、アクセス、および保護を行えるシステムについて詳細に記述している。
トークン化は、暗号化方式を用いることで、本来制限されていないデータ要素を処理し、それに対し制限されたトークンに変え、その後、特定のユーザーだけが制限されたトークンを非トークン化して読みだすことができるとしている。
このシステムは、認証されたデジタル署名による暗号化を利用して、特定の値をデータに結びつける。
この結果、トークン化システムを用いることで、アクセスと機密性の制御、データの発信元の認証、およびデータ要素に加えられた不当な変更を検知する事によってデータの整合性の維持を行うことができる。
ウェルズ・ファーゴは、トークン化を用いることで、ファイルとデータ要素の種類に関わらず、クラウドなどの公的にアクセス可能な環境にデータ保存されている場合でさえも、ブロックチェーン内にデータを保護することができると説明している。
既存のシステムで用いられている機能に制限のある匿名の署名とは異なり、このトークン化は、1人の署名者、複数の署名者、または連署に対応し、慎重に扱うべきコンテンツの機密性を失うことなく情報をパブリックに保存することができると説明している事から、データの保存について全く新しい考え方を持つ事になる。
さらに提案されたシステムによって、コンテンツ保有者や管理者は、ファイルの一部や全体に使用する事が可能であるトークン化によりもたらされるアウトプットの希望の形態や、ぼかし、ランダムな文字列、黒塗りなど、制限されたユーザーにアウトプットがどのように表示されるかを柔軟に選ぶこともできる。
このプラットフォームが定着するようになれば、データを安全に提供する以外にも、確実に保存し紛失などのトラブルもなくなるだろう。今後、このシステムの実用化にも期待したい。
参考:USPTO