米国特許商標庁(USPTO)は12日、American Express Company(アメックス)の子会社である旅行会社、American Express Travel Related Services Company Inc.によって2017年1月に提出されたブロックチェーン関連の特許出願を発表した。

この特許は、ブロックチェーンノードに追加された公開鍵を介して、取引・金額や識別子などの支払い情報を暗号化する「proof of payment(プルーフオブペイメント、以下PoPと呼ぶ)」システムを要求している。

さらに、発明者らは、第1のノードの情報のコピーを維持することを意図した第2のブロックチェーンノードについて説明している。第2のノードからのデータは、スマートデバイス(スマートフォンのような端末)によって取り出され、解読される。このプロセスは、スマートデバイスがPoPを検出することを可能にする。

この特許は支払い処理の実体(例えば、クレジットカードのネットワーク、銀行、デビット、ビットコイン、報酬ポイント、またはACH Transfer)は、支払い証拠をブロックチェーンに書き込むことによって改ざん防止の方法で支払いの証拠を提供する。

ブロックチェーンへのアクセスは、適切な暗号鍵を有するエンティティ(組織や団体などに限らず実存する概念・法的実体)に限定されるように、ブロックチェーン上で暗号化されてもよく、情報は必要に応じて顧客の存在下で検証されてもよいとされる。

この特許は、提案されたPoPシステムの様々な使用事例を列挙している。1つの例として賃貸物件が挙げられる。

例えば、買い手は、ウェブサイト上の賃貸住宅を識別し、ウェブサイトを介して支払うことができ、家を解錠することができる数秒でPoPを受信すると自動的に実行される。

アメックスはこれまで、ブロックチェーン技術に強く関心を示してきた。2017年10月に、USPTO はクレジットカード会社が提出したブロックチェーンベースのデータベースの可能性について述べた特許出願を発表した。2017年11月、アメックスは英国の銀行Santander UKと提携し、Ripple(リップル)を使用したクロスボーダーのビジネス決済システムを採用している。

また、アメックスの副社長である、Colin O'Flaherty氏は先月、「リップルの技術は、送金者と受取人の間で瞬時にP2Pでの取引を可能にしてくれる。これは、顧客が直面している問題のほとんどを軽減してくれます。」と、リップル社の技術を認めている。

アメックスの特許出願のニュースは、先月に発表されたMastercardのセキュリティ強化のものに続く。主要な業界プレイヤーは関連する暗号通貨については十分な注意を払っているが、特定の金融サービス会社は急速に進んでおり、ブロックチェーンソリューションの開発・導入に向けた動きが注目される。

参考:USPTO