イーサリアムを生んだ若き天才Vitalik Buterin(ヴィタリック・ブテリン)氏は先月27日、自身のツイッターにてApple社の制限的なAppStoreポリシーを批判した。
I don't get why Apple's restrictive app store policies don't get criticized more. One company (with market cap approaching $1 trillion) gets more de-facto filtering power over mobile internet users than many governments, heavily wields it, and so few tech people seem to complain.
— Vitalik "Not giving away ETH" Buterin (@VitalikButerin) 2018年6月27日
「アップルの厳し過ぎるAppStoreポリシーがなぜ皆に批判されないのか、私は理解が出来ない。時価総額が1兆ドルにも達しようとしている1つの大企業が、モバイルインターネットユーザーに対して政府よりも強いフィルタリングをかけている。利用者が多いからか、僅かな一部の技術者しか文句を言っていないようだ。」
Appleは先月11日、既存のAppStoreのガイドラインを変更した。仮想通貨マイニングの禁止をはじめ、仮想通貨に関連する全てのものに厳格な制限を課した。以下はガイドライン3.1項「支払い」に関するガイドラインの一部である。
「ウォレット:アプリケーションは、仮想通貨ストレージを容易なものとし、組織として登録された開発者によって提供されるべき。」
「マイニング:処理がオフラインで行われない限り、アプリケーションは仮想通貨のマイニングをすることが出来ない。」
「取引:承認されたものであれば、暗号通貨のトランザクションや、送信を行うことが出来る。」
「ICO:暗号化先物取引、およびその他の暗号証券または準証券取引を促進するアプリケーションは、既存の銀行、証券会社、先物手数料商人(FCM)に適用されるすべての法律を遵守しなければならない。」
変更されたガイドラインの中でおそらく最も注目される事項は、仮想通貨マイニングアプリの禁止だろう。不正にマイニングを行う可能性があるアプリは、バッテリーやCPUに負荷をかけるなどユーザーの端末にダメージを与える可能性があり、ガイドラインはこれを防ぐために変更された。
しかし、Buterin氏をはじめ、専門家の分析や世論の反応には「Appleは少ないエネルギーで、iPhone等を用いてマイニングができる未来を自ら潰してしまっている。」といった厳しい声も多く寄せられている。
あくまでユーザーやデバイスを保護するための禁止案であり、マイニング自体を規制しようというものではないが、問題視されているエネルギー問題解決の糸口となる可能性を秘めているだけに、規約強化が足枷となる可能性も排除できない。