ハイパーレッジャーのED(エグゼクティブ・ディレクター)を務めるブライアン・べエレンドルフ氏は、ブロックチェーン技術によりシリコンバレーの大手テクノロジー企業の力を抑制するのを期待していると語りました。

同氏によれば、スイスのビジネス紙Handelszeitungのインタビューに対し、次の技術の波がシリコンバレーによって作られる事はないだろうと述べ、ブロックチェーンに関して言えば、彼らには盲点があると指摘しています。

グーグルやアマゾン、フェイスブックなどの大手テック企業は間違いなく、ブロックチェーンをピックアップしてそこからビジネスモデルを作り出すとし、ブロックチェーンのコア部分、つまり分散型技術(DLT)としてのブロックチェーンは、彼らの市場支配力を弱めることだろうと言及している事から、ブロックチェーンの潜在的な力は止めることができないと見ています。

さらに同氏は、現在ブロックチェーンや仮想通貨ブームと90年代後半のITバブルとの間には共通点があると指摘し、その理由として、シリコンバレーの企業の創業者らがどんなビジネスプランでもものにできた時代だったが、近頃のブロックチェーン関連の投資市場でさえ、確実に過熱してきており、このように多くの資本やソフトウェア開発に流れていることは良い面だとも指摘しています。

ハイパーレッジャーはICO(イニシャル・コイン・オファリング)市場や仮想通貨市場には全く注目をしておらず、むしろブロックチェーン技術の将来性にだけ注目をしています。また、サプライチェーンの実証実験をしているブロックチェーンプロジェクトには十分な注意が向けられていることも指摘しています。

英国を拠点とするジュニパー・リサーチは調査結果を発表し、多国籍テクノロジー企業によってブロックチェーン技術が統合されるのは時間の問題だと指摘し、調査によれば、多国籍テクノロジー企業10社のうちの6社が、ブロックチェーン技術の採用を検討、もしくはすでに独自のブロックチェーンサービスを開発中であると回答しています。

仮想通貨市場は落ち着きを取り戻しつつありますが、今後はブロックチェーン技術の覇権争いが活発になっていくでしょう。

参考:Handelszeitung