マスターカードのアン・ケアンズ副会長が、全社のネットワークシステムを動かせるブロックチェーンを開発したと、マネー20/20カンファレンスにて発表しました。
アムステルダムで行われているマネー20/20で、同社はブロックチェーンを大規模に統合することを故意に選択したと語る一方で、真のユースケースを特定する必要があるとも述べています。
ケアンズ氏は既存の技術をブロックチェーンで置き換えるのは、単により優れたユーザー体験を作れないかもしれないからではないと説明しており、この技術が何を解決してくれるかを見つけること、それは真正性の証明かもしれないともコメントしています。
レガシー金融全体への普及としてはまだ初期段階にも関わらず、マスターカードはブロックチェーン・ソリューションをますます貪欲に、積極的に追及しています。例えばマスターカードは4月、ノードがデータを検証する速度を上げることでブロックチェーンを高速化するシステムの特許を申請しています。
マスターカードの2018年第1四半期の業績の伸び悩みは、主な仮想通貨の価格下落と、それによる取引の減少と直接結びつけられていると見られています。
最高財務責任者(CFO)のマルティナ・フンメイン氏によれば、6月2日の収支報告で、「これは最近の仮想通貨ウォレット資金の落ち込みによるもの」だとしており、「国際間取引の成長によっていくらか緩和されると見ている。」とも述べている事から、マスターカード自体も、仮想通貨に対してオープンな姿勢をとっていることが明らかです。
対比して、クレジットカード大手のビザはと言うとカードが英国やその他の欧州各国で決済されないという障害が発生するなど、旧来のシステム依存により今後のテクノロジー発展から取り残される懸念が際立っています。
日に約150億件の決済を処理するといわれる同社は、公式ツイッターでサービスが障害が発生している旨を認めています。今後仮想通貨の技術であるブロックチェーンを採用するか?といった点が注目されています。
ちなみにビザネットワークは2009年1月以来、動作が中断したことがなく、異例の事態として混乱の声が飛び交いました。マスターカードの積極的な姿勢に倣って今後、ビザもブロックチェーンを検討する事が考えられます。