欧州の2大主要金融機関のCEOによると、ブロックチェーン技術は銀行業界に革命を起こし、今後業界を支えていく存在となる可能性が高いと言います。

近年、多くの銀行では管理部門のプロセスを簡素化したりコストを削減するなどし、さらに業界をより広範にしていく取り組みの一環としてブロックチェーン技術を採用したアプリケーションの開発に何百万ドルも投資したり、様々な実証実験を行ってきました。

ビットコインなど仮想通貨の基盤技術として知られるこのブロックチェーン技術は、当初は国際的金融機関から懐疑的な扱いを受けておりました。しかし、現在は詐欺の危険性を減らすために役立つ有効なテクノロジーの一つとして、銀行業界ではその将来性が買われております。

オランダ発祥の総合金融機関として知られるINGグループのCEOであるラルフ・ハマーズ氏は、4日にアムステルダムで開催されたマネー2020のフィンテック会議で、CNBCのテクノロジー担当記者のアルジュン・カーパル氏に以下のように語りました。

「ブロックチェーン技術が秘めるポテンシャルはかなり高く、現在銀行はその技術開発に相当な力を入れております。もし仮に上位5~6社のグローバルバンクの規格が一致したなら、その規格は世界の標準となるでしょう。実際、5~6年ほどの期間があれば実現は可能でしょう。」

スペインとアメリカ南部を中心に多くの資産を保有する大手銀行グループのBBVA(ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行)のCEOであるカルロス・トレス・ビーラ氏も、ブロックチェーン技術への期待を語ると同時に、ハマーズ氏の意見についても同意する形で見解を述べました。

「ブロックチェーン技術には大きな見込みがあります。現在はまだ初期の段階ですが、効率的なプロセスをもたらしてくれるでしょう。」

「(5~6年で規格の国際標準化が可能というハマーズ氏の見解について)見込みはあります。大体それくらいの期間でしょう。どのように発展するかが見ものです。」

かつては銀行の脅威とされておりましたが、現在は銀行を助ける技術として注目されつつあるブロックチェーン。銀行がその技術を完全に統合、もしくは適応する日はそう遠くないかもしれません。

参考:CNBC