MUFG(三菱UFJフィナンシャルグループ)と三菱商事が、タイ国と英国の金融機関と協同で、リップルのDLT(分散型台帳技術)を利用した国際送金の実証実験を今月中に開始することが分かりました。14日、読売新聞によって伝えられています。
従来の国際送金システムである、SWIFTのネットワークで送金する場合では数日間かかっていましたが、Ripple(リップル)社のシステムを利用すれば、数分間に短縮、手数料も約3割削減、摩擦なく透明で安全に送金をすることができます。
今回の実験ではタイの三菱商事の子会社が、MUFG傘下のアユタヤ銀行(クルンシィ)に保有する口座から、シンガポールドルを送金し、三菱商事の関連会社が英国の金融大手であるスタンダード・チャータードのシンガポール拠点に設けた口座で受け取るとしています。
国内企業においては、SBI Ripple Asiaが舵を切る内外為替一元化コンソーシアムで、メガバンク3行ゆうちょ銀行含む邦銀61行がリップルのシステムを取り入れる流れにまでなっており、リップルのソリューション「xCurrent」を活用した「RCクラウド2.0」の実用も近い日に見られるでしょう。
また、同コンソーシアムに参加する、りそな銀行、スルガ銀行、住信SBIネット銀行はスマートフォンアプリのマネータップを使い、個人の銀行口座間で24時間送金できるサービスを今秋にもリリースが予定されています。このマネータップでもリップルの技術が使われています。
今回、MUFGが開始する実証実験は、内外為替一元化コンソーシアムとは別のプロジェクトですので、多角的にリップルの活用を考えていると思われます。また、これにより国内の金融機関はさらにリップルを意識し始め、他の金融機関のサービスもさらにスリム化してくることも考えられます。
旧来のSWIFTという古いシステムからブロックチェーン技術に切り替えていく事で、送金の精度や利便性は向上し、今まで人為的にコストや労力が掛かっていたところは徐々に削減されていく事でしょう。
まだ実証実験開始予定の段階ですが、すでに海外の金融機関ではリップルの技術を活用した国際送金サービスが行われており、こういった流れから国内の金融機関でも将来導入していくことでしょう。MUFGでは数年以内に実用化を目指すとしています。
参考:読売新聞