行政や金融、インフラ、税制等、様々な改革を推進しているインドですが、インド政府は、マネー・ローンダリング(資金洗浄)とテロ資金調達の手段となりうることから、仮想通貨の規制を強化する計画を立てています。CNBCによって伝えられています。

インド財務相のアルン・ジェイテリィ氏は1日、ニューデリの議員に対し、以下のように述べました。

「政府は、仮想通貨を合法的な通貨とは認めておらず、違法な活動の資金調達や決済システムに仮想通貨が利用されることを排除するために、あらゆる手段を取る方針です。」

実際、多くの規制当局もその激しい価格の変動や、それに関連して行われている怪しい活動によって不安定な状況に陥っています。仮想通貨は政府によって管理されていないため、マネーロンダリングのような違法な活動に使用されることを当局は恐れます。

しかし一方で、ジェイテリィ氏はインド政府は仮想通貨の基盤となるブロックチェーン技術については興味を示しているとも語りました。

「政府は、デジタルな経済へと導くために積極的にブロックチェーン技術の使用を模索するでしょう。」

インドは最先端の技術と新興国ならではの発想力から多くの新しい製品やサービスを生み出すイノベーション国家でもあります。今ではアメリカのシリコンバレーに並ぶほどのIT大国となったインドが、世界最先端のブロックチェーン技術の活用に力をいれようとしているのは至極当然なことと言えるでしょう。

人口統計ではインド人が世界の大半を占めているとも言われておりますが、その増えすぎた人口の個人情報の管理をするためにセキュリティ企業とパートナーシップを結んだり、金融業界で団結してブロックチェーンを使った解決策を考案すべく、業界団体を設立したりと、すでにインドの金融業界各社はブロックチェーンを利用した基幹システムへの移行に向けて、着々と準備を進めております。

仮想通貨市場については否定的な姿勢(禁止ではない)を取っているインドですが、その基盤となるブロックチェーン技術については積極的に取り入れていく姿勢を見せている点は非常に興味深いことです。今後の進展に期待が高まります。

参考:CNBC