ブロックチェーンを活用したソーシャルメディア構築のプロジェクト「ALIS」。ICO(イニシャル・コイン・オファリング:仮想通貨の新規発行による資金調達)では4億円超という資金を集め、投資家のみならず各方面から注目が寄せられている。

AppTimesでは今回、ALISのプロジェクトについて株式会社ALISの代表である安昌浩氏にお話を伺わせて頂いた。

―ALISとはどのようなプロジェクトなのでしょうか?

「ブロックチェーンを使ったソーシャルメディアを日本向けにリリースするプロジェクトです。ブロックチェーンを使うことによって、信頼できる記事を書いたり、見つけた人、いいねをした人に報酬としてALISトークンをお配りすることで、経済的インセンティブをドライブにいい記事が埋もれたりしないようなメディア作りを目指しています。」

―プロジェクトの進捗や今後の展望をお願いします。

「来年4月に向けてクローズドベータとしてサービスをローンチする予定です。それまでに12月にデザインのモックアップが完成する予定なので、そちらを公開してユーザーの方の意見を取り入れながら、サービスに反映させていきたいと考えています。」

―金融庁ではICOについて注意喚起などをしていますが、ICOを行う際に注意した点はありますか?

「金融庁としっかり会話をすることが大事だと考えました。会話をしないで勝手にICOを行うと不誠実になってしまうと思います。もう一点は弁護士とも相談しながら取り組みを進めました。ICOの段階では法律面は問題ないのですが、上場した場合に仮想通貨としての扱いになるので、上場の部分については十分にケアするよう注意を払いました。」

―ICOでは約4億円という資金調達をされ話題にもなっています。一方ICOに失敗してしまう例も見られますが、何か異なる点や差別化されたことはありますか?

「いきなりLPを出したり、Facebook広告を出すようなプロジェクトもありますが、ALISではそのようなプロモーションは一切しませんでした。まずはコミュニティを作ることが大事だと思っています。また、有名な仮想通貨ブロガーさんが紹介をして下さったり、C-NETさんや日経新聞さんなどでも取り上げて下さったことで信頼・知名度を得られたと思っています。」

―ALISでのICOの経験を活かしたプロジェクトなどは考えていますか?

「日本のスタートアップがICOをできるような場を作りたいという思いがあります。そのためにICOwikiを作っていて、ICOwikiを通じてナレッジシェアリングをしたいと考えています。」

安氏ご自身が得た経験や情報をシェアし、日本での健全な市場を作りたいという姿勢が伺える。また、ご自身の考えとして以下のようにも付け加えた。

「日本国内でブロックチェーンを発展させたいという思いが非常に強いです。現在、信用経済が加速しているのを感じるので、ブロックチェーンを活用して個人が信用を得られる世界。個をエンパワーメントさせることをALISとして実現させたいです。」

既存のメディアでは広告や、SEO重視の記事などが上位表示されて、本当にいい記事がインターネット上にあっても埋もれてしまう例も見られる。ALISでは記事を書いた人だけでなく、見つけたり、いいねをした人にもALISトークンを配ることで、こういった問題を解決することができるモデルとなっており、ALISトークンを保有していなくても、参加することで報酬を得られるメディアを実現させる。

今回、お話を伺わせて頂いて、安氏のブロックチェーンに対する熱い思いが伝わった。今後、日本国内におけるブロックチェーン技術のさらなる発展・普及と、ALISのプロジェクトの展開に期待が高まる。