ここ数日、相場の乱高下を続けている仮想通貨市場。時価総額1位のビットコイン(BTC)を筆頭に全体的に激しい値動きを見せており、特にイーサリアム(ETH)とリップル(XRP)が目立っている。

イーサリアムは17日にメトロポリスのハードフォークが控えており、これに向けてしばらく激しく価格を上下させているようにも伺える。また、先日ビザンチウムのテストネットワークに攻撃があったが、ハードフォークには影響なく予定どおり実行される見通しだ。イーサリアムは10日現在、3万3,000円ほどを推移しており、ハードフォーク後にはもう少し価格を上げるとの予測も強い。(CoinMarketCapの統計より、以下同)

ビットコインキャッシュに代わり、時価総額3位に戻ったリップルは5日から上昇を続け、8日から9日にかけては一時31円まで高値を付けた。16日から加トロントにて開催されるRipple社主催のカンファレンス「SWELL」への期待と、先日Ripple社CEOのBrad Garlinghouse氏がQuoraにてユーザーの質問に答えたことで、普段から抱える疑問が解消されたとの声も散見された。ちなみに取引の多くは韓国ウォンでの購入が多くを占めている。急激に価格を上げたため、一時的に調整が入る可能性も考えられる。

また、BTC建てでもフィアット建てでも一極集中しているように見られるビットコインは材料豊富だ。25日にはビットコインゴールドのハードフォークが実行されると考えられており、仮にこれが行われれば8月1日にビットコインキャッシュ(BCH)が分岐した時と同様にタダでビットコインゴールドが手に入ると考えている方も多い。

ビットコインキャッシュと同じ形で分岐すれば、もちろん保有分のビットコインと同量のビットコインゴールドが分配されることも可能性はあるが、現状では不透明なためこれだけを目的にビットコインを購入するのであれば、リスクも高いので分配されなかったときのことも考えて慎重な判断をするよう願いたい。

ビットコインキャッシュ誕生の時にも、駆け込みで購入する方とアルトコイン(ビットコイン以外の仮想通貨)やフィアットに避難させる方や、ビットコインを取引所からハードウェアウォレットに移動させる方、何もしないでそのまま取引所に置いておく方と、さまざまな動きが見られ取引所での対応が明確になるまでは一時的に混乱も見られた。

最終的にビットコインキャッシュのハードフォーク後、保有しているビットコインと同量のビットコインキャッシュが分配される形となり(取引所によってはこの対応がない所もあり)、何もしないでも儲かったという方が散見されたため、今回も大丈夫だろうと踏んで警戒が薄れているとの意見も見られる。また、国内の仮想通貨取引所ではビットコインゴールドについて正式なアナウンスは現在確認されていないので、不確定な情報やフェイクニュースにはご注意頂きたい。

さらに11月にはNYA(ニューヨーク協定)にて支持されていたSegWit2Xのハードフォークによってさらに分岐される可能性もあり、ビットコイン2X(B2X)が誕生するといった話も持ち上がっている。

ようするに今、ビットコインを持っていれば11月中にはビットコイン(BTC)とビットコインゴールド(BTG)、ビットコイン2X(B2X)といった3種類になり、BTGとB2Xの2つのコインが無償で手に入るといった話が先行している。

これも不確定の情報なので、これだけを材料にするのはリスクが高過ぎる。ビットコインは現在、54万円前後と、5日時点の約46万円からわずか3日で17%上昇している。これからビットコインの購入を考える方は、市場に踊らされることのないように冷静な判断が求められる。今後の相場動向が注目されている。