金融庁が21日、フィンテック企業や金融機関に向けて、実証実験をサポートする「FinTech実証実験ハブ」を設置したことを発表した。

FinTech実証実験ハブでは、フィンテック企業や金融機関などが実証実験を行う際の躊躇や懸念を払拭し、コンプライアンスや法令解釈、監督上にリスクなどその他実務上の課題など、実験を通じて考察している論点を個々に金融庁内でチームを組成、継続的に支援していくとしている。

また、今回設置に至った背景として「未来投資戦略2017」にて、フィンテックを活用したイノベーションに向けたチャレンジを加速させる観点からとしている。

これのひとつに、金融サービスにおいてブロックチェーン技術の実用化に向けた取り組みもあり、日本国内での金融ビジネスの活性化を目指すといった試みも見られる。

具体的な内容としてはブロックチェーン技術の実証実験に向けてプラットフォームを運用し、フィンテック企業、金融機関、金融庁・日銀らが連携し、決済や物流管理、電子記録債権取引や本人確認などのインフラを高水準に押し上げる狙いもある。

将来的には日本がブロックチェーン技術の国際的な研究を主導し、各国の研究機関と連携した共同研究のみならず国際的なコンソーシアムに金融当局が参加することも視野に入れているという。

このように金融庁など当局が規制だけでなく企業をサポートしていく構えは、これからブロックチェーン技術などフィンテックの活用を検討している企業にとって心強い。アイディアはあっても技術や法的解釈などが分からずに踏み込めなかった企業にとってはとくに後押しになるだろう。

今後、国内でさまざまな企業がブロックチェーン技術を活用した、先進的な事業展開が増えてくることが期待される。

参考:金融庁