このところ、日本でも法整備が進められていることにより、また、仮想通貨投資家が増えてきたということもあり、ビットコインなどの仮想通貨で得た利益に対する課税関係が注目されている。

国税庁のホームページ上で記載されている「タックスアンサーNo.1524 ビットコインを使用することにより利益が生じた場合の課税関係」の内容に一部混乱をしているユーザーも見られる。

まず、国税庁のホームページに記載されたタックスアンサーを以下に引用させていただくので、ご参考頂きたい。

[平成29年4月1日現在法令等]

ビットコインは、物品の購入等に使用できるものですが、このビットコインを使用することで生じた利益は、所得税の課税対象となります。

このビットコインを使用することにより生じる損益(邦貨又は外貨との相対的な関係により認識される損益)は、事業所得等の各種所得の基因となる行為に付随して生じる場合を除き、原則として、雑所得に区分されます。

(所法27、35、36)

参考URL:http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1524.htm

国税庁では、ビットコインで得た利益は所得税の扱いになるということ。原則としては雑所得の区分になるということが明記されている。しかしながら、これだけでは分かりにくいという方も少なくないと思われるので、ここで大きく3つにまとめさせて頂いた。

1、ビットコインについては明記してあるものの、アルトコイン(ビットコイン以外の仮想通貨)についてはどうなるのか?

「基本的にはビットコイン以外の仮想通貨も同じ扱いとなり、アルトコイン同士の交換で利益を得た場合も課税対象となる。」

2、“邦貨又は外貨との相対的な関係により認識される損益”ということは、フィアット(法定通貨)で利益確定をしなければ課税されないのか?

「これはフィアットも仮想通貨も関係なく同じ扱いになる。例として、イーサリアムを1ETH/3万円で購入。その後、4万円まで上がったので、今度はライトコインを5LTC/4万円で購入。この時点で1万円分のイーサリアムが利益として上がっているため、この1万円分に対し課税対象となる。」

3、ビットコインを買ったままで利益が出た場合(含み益)にも課税されるのか?

「これは課税対象にならない。ビットコインを1BTC/20万円で購入後にホールドし、現在1BTC50万円で30万円の含み益が出ていても、そのまま使っていなければ課税対象とはならない。」

その他にも税金に関しては不透明な点や分かりにくい点もあるので、疑問に感じたら国税庁や管轄の税務署に問い合わせるなど、ご自身で情報を確認することも資産を守るために大事なことなので、ネット掲示板やSNSでの誤った情報に流されてしまわないようご注意頂きたい。中には「仮想通貨で税金の掛からない法律の抜け道を教えます。」といった情報でトラブルに巻き込まれてしまう話も聞かれる。

今回は雑所得の扱いになるということで、今まで税金を気にせずにトレードをして稼いでいた方にとっては少々耳の痛い話かもしれない。しかし、日本国民である限りは憲法によって「納税の義務」が定められているので、しっかりと税金を支払って健全な取引を行うよう切に願いたい。また、以下から国税庁による個別回答も得られるのでご参考頂きたい。

参考:国税庁 | 事前照会に対する文書回答手続