4日、中国政府によるICO(イニシャル・コイン・オファリング:仮想通貨の新規発行による資金調達)規制のニュースを皮切りに一斉に仮想通貨の相場が暴落し、引き続いて5日現在も下げている。

市場全体の時価総額は4日17時の時点で1,500億ドル(約16兆5,000億円)ほどだったが、5日15時では1,370億ドル(約15兆円)と約10%近くのマイナスとなっている。

このような市場全体の下落はよくあることであり、手慣れている方からすれば逆に格好の稼ぎ時でもある。仮想通貨は常にボラティリティ(価格変動率)が高い相場ではあるが、これに魅力を感じているトレーダーも少なくない。

しかしながら、新規で買い増しというのは危険かもしれない。中には「全通貨お買い得セール中だ!」と触れ回る方もいるが、できれば相手にしない方がいい。ここはご自身の判断が問われる場面。

確かに投資家心理として急落は焦ってしまうのも頷けるが、とくにボラティリティが拡大している間は、迂闊に手を出さずに静観が正解かと思われる。

また、仮想通貨が中国で全面禁止されたという間違った解釈をする方も見られ、パニックを起こす声も散見される。今回、中国が規制対象としたのはあくまでICOであり仮想通貨自体を禁止という話ではないので、そこは冷静に解釈頂きたい。

この一ヶ月だけを見てもビットコインは価格を上げている。8月5日に35万円ほどだったが徐々に上昇し、本日9月5日は45万円ほどで推移している。時価総額2位のイーサリアムも同時期に2万5,000円から現在3万円ほどと、先日の高値は遠ざかったものの、大局的に見れば上昇の中の下落に過ぎない。高水準を保っているといえるだろう。(CoinMarketCapの統計より)

今回の下げ相場はイレギュラーだという見解もあるが、時価総額上位の銘柄はこの直近一時間で価格をプラスに戻してきており、何れにしても市場の相場が物語っている。また、これをきっかけに底を狙いたいという声も多いが、リスクを承知の上で慎重な判断が求められる。

今までの流れから今後、各国が規制の対象になると考えられるICO。今回の中国の件は市場に大打撃とはなったが、長期的に見ればまだまだこれから上げていくという予測も強い。各国のICOや仮想通貨に関連する法整備も含め、市場参加者からは今後の相場動向が注目されている。