今年猛威を振るったランサムウェアのWannaCry。これに感染すると、要求された金額のビットコインを支払うまでコンピューターがロックされてしまい、企業にとっては一大事となる始末だった。また、これの解除のために実際に支払ってしまうケースも見られた。

身代金要求に使われていたウォレットは、しばらく放置されていたように見られていたが8月3日、この攻撃によって不正に入手していたビットコインが、同じく仮想通貨のモネロ(XMR)に交換されたという。米cyberscoopにより伝えられている。

Monero(XMR)は匿名性の高い仮想通貨

このモネロはビットコインと比較して匿名性が高いのが特徴のひとつ。通常ビットコインであれば、ウォレット間の送金先を追跡していけば現金化したところで、犯人のものと見られる口座が確認できるが、モネロではそのような追跡は難しく、犯罪資金の温床との見方もされている。

このような背景からモネロを使って莫大な資金が流れ込むこともあるが、その逆もまた然りで、他の仮想通貨と比較しても相場の乱高下が激しく、長期保有よりも短期で稼ぎたいというトレーダーに人気の銘柄ではある。

通常通り取引所で利用する分には犯罪に巻き込まれることはないので安心していい。国内の取引所では「CoinCheck」などで扱われている。

今後、このWannaCryの犯人の行方を追うことは難しいかと思われる。ビットコインやモネロなどの仮想通貨がこのような犯罪に利用されることは非常に残念だが、当局の捜査に委ねたい。

WannaCryの犯罪阻止した専門家が逮捕

また、WannaCryを巡っては、WannaCryを阻止したサイバーセキュリティ専門家のマーカス・ハッチンスが、これとは別のハッキングの容疑で米連邦捜査局(FBI)に逮捕、7月12日に起訴されていることが分かった。

連邦地裁に提出された起訴状によれば、ハッチンス被告は2014年7月からおよそ1年の間、マルウェアのクロノスを使い、不当に利益を得たとしている。このクロノスでは、クレジットカードの情報やインターネットバンキングの情報などを盗むことができるという。

4日15時現在、モネロは1XMR/43.65USD(約4,805円)、前日(24時間)比でプラス0.4%となっている。今後も取引を健全に行っていく上で、仮想通貨を巡ってこのような事件が起こっているということを知っておきたい。

参考:cyber scoop