このところビットコイン分岐問題で何かと話題の絶えない仮想通貨市場。懸念されていたが、BIP91(Segwit2x)が23日にアクティベートされ、一息ついているように見られる。UASFによる分裂を回避したことで安堵の声も多く見られ、ここで新しく仮想通貨投資を始めてみようと考えている方も少なくない。しかしながら今から仮想通貨への投資を始めるのであれば、慎重な判断が求められる。

ビットコインに関しては、上述のとおりBIP91がアクティベートされたことでUASFによる分裂が回避されたと考えられているが、8月以降には中国のマイナーにより、ハードフォークが行われる可能性も考えられている。

これによりビットコインが2つに分かれ、新しい仮想通貨「ビットコインキャッシュ(BCC)」が市場に出回れば、従来のビットコイン(BTC)の相場にも大きく影響をきたすだろう。そのため、8月初旬までの動向が不透明なうちは、新規での買い増しは出来れば控えたい。取引所によってはビットコインキャッシュの所有が誰のものになるか不明瞭な所もあるので、現在ビットコインを保有している方は取引所に確認しておきたい。

また、ビットコインは一時様子見として、アルトコイン(オルトコイン)にも関心が高まっている。主にイーサリアム(ETH)やリップル(XRP)、ライトコイン(LTC)などに目を向ける声も散見されるが、24日12時時点では時価総額19位までの仮想通貨はいずれも前日比(24時間)では価格を下げているのが現状だ。

今回アクティベートされたBIP91による先行き不安から、アルトコインにもこのような影響が出ているのかは判断が難しいが、ビットコインのSegwit搭載は好材料ではあるので、長期的に見ればアルトコイン全体の価格も上げていくと考えられている。仮想通貨全体の時価総額はBIP91がロックインされた21日に約940億ドルだったが、24日には約954億ドルと徐々に回復を見せている。(CoinMarketCapの統計より)

大きな混乱などは起きにくいと思われているが、これから仮想通貨を始める方は、8月1日以降の動きを見てからの方がより安全だろう。8月中旬にはビットコインのSegwitがほぼすべてアクティベートされると見られているのでこのあたりでもう一段落、落ち着くと考えられる。さらに11月にはハードフォークが行われるので、価格の推移はより予測困難だ。

比較的相場が安定しているイーサリアムやライトコインあたりは、長期的に保有するのであれば、ビットコインの動向を気にすることはないが、短期的な投資であれば相場の乱高下も考えられるため、振り回されないよう注意したい。まずは8月1日のビットコインキャッシュの登場でどの様な影響が出るのか、今後の相場動向から目が離せない。